- 著者
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津田 葵
津田 葵
- 出版者
- 大阪大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 1997
小笠原父島における新しい文化との接触、移入によるプロセス、同化のプロセスの実態とその要因の解明に向けて文献調査、聞きとり調査を中心に研究を進めた。特に、本年度は平成9年度から3年計画で始めた最終年度であるので、過去2年間にわたっての研究から明らかになった基礎的データの整理とより精密な分析、その妥当性をチェックするための実地調査に主力を注いだ。1.異なったエスニシティとの出会い異なった土地からやってきた最初の定住者達、ペリーの来航、日本人の最初の移住者の入植、開拓開始、太平洋戦争勃発、本土への強制疎開、米軍による統治、欧米系島民の帰島、返還、返還後の復興といったなかでの欧米系島民、旧島民、新島民による社会形成の様相、アイデンティティの問題、同化主義の特徴2.言語接触と言語文化共通語、母語を異にしている人々の間での伝達、米軍統治下での言語生活、返還後の言語教育、異なった世代、エスニック集団における言語使用の特徴、多言語接触によって生じる言語生活の実態の解明3.島に伝わる民謡南洋諸島から伝来されたと思われるもの、最初の日本人移住者の出身地である八丈島からのもの、小笠原独自のもの、歌詞の意味が不明でルーツも不明なもの4.衣・食・住の生活文化異文化接触による影響と父島独自の生活文化の創造とそのプロセス5.伝統的年中行事:島に伝わる年中行事、それぞれの行事の起源、社会的意味と意義