著者
津野 柳一
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

ローマ法源のなかでも最も重要な史料であるローマ法大全、なかんずく学説彙纂(Digesta)の文言を手がかりにして、今日の法学者にとってますます理解が困難なラテン法文の解釈のためのコンピュータを使用した支援システムを構築するための基礎的知見をえることが目的であった。そのために、リンツの機械可読形式のデータをさまざまに処理して、分析のためのToolを作成した。本年度は、研究代表者のもうひとつの課題である17、18世紀法学大学文献(いわゆる学位論文)研究と連繋させて、内容分析という方法を見い出した。それも、コンピュータ利用の統計を応用したデータ解析としてである。意味論的質的分析にはあえてふみこまず、形式的計量的分析に力点をおいた。この方法は判例分析や司法試験への応用が期待される。