著者
浅井 孝康 上山 謙一 山根 礼吉
出版者
The Japanese Society of Swine Science
雑誌
日本養豚研究会誌 (ISSN:03888460)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.1-5, 1968

肉豚の省力管理の一方法として, 生体重20kgおよび50kgから1回に2日分の飼料を夫々給与したA区, B区, 並びに生体重20kgおよび50kgから1回に3日分の飼料を夫々給与したC区, D区および1日2回給与した対照区の発育成績, 飼料消費量, 屠体成績を要約すると次のとおりである。<br>(1) 試験期間 (20~90kg) における試験区の所日要数はD区, C区, B区, A区の順に短かく夫々108日, 114日, 117日, 121日を要し, 1日平均増体重はD区が653<i>g</i>で最も大きく, 次いでC区, B区, A区の順に夫々605<i>g</i>, 599<i>g</i>, 579<i>g</i>であった。対照区は所要日数114日, 1日平均増体重615<i>g</i>で, 分散分析の結果は試験区各区間および試験区各区と対照区の間に有意な差は認められなかったが, 対照区に比較して試験区は発育速度がやゝ劣り, また20kgから開始した場合は50kgから開始した場合より発育速度がやゝ劣る傾向が見受けられた。<br>(2) この間の1頭当り平均飼料消費量は試験区ではD区が243.9kgで最も少なく, 次いでC区, B区, A区の順に夫々259.0kg, 263.5kg, 271.1kgであった。対照区は251.5kgで試験区は対照区に比較して僅かであるが飼料消費量が多い傾向が見受けられた。<br>(3) 飼料要求率はD区が3.46で最も小さく, 次いでC区, B区, A区の順に夫々3.75, 3.76, 3.87で, 対照区は3.59であった。<br>(4) 枝肉歩留はC区が73.52%で最も高く, 次いでD区, B区, A区の順に夫々72.39%, 72.25%, 72.02%で, 対照区は75.04%であった。<br>背脂肪層の厚さは各区とも薄く, 滑らかで良好であった。脂肪層の厚さの平均はC区が2.21cmで最も薄く, 次いでB区, A区, D区の順に夫々2.32cm, 2.75cm, 2.78cmで, 対照区は2.50cmであった。