著者
浅海 菜月 安達 圭一郎 大神 綾夏
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
pp.20220126178, (Released:2022-12-23)
参考文献数
19

目的:心理的安全を用いたモデルを看護師の職務場面に応用するため,看護師の心理的安全認識を測定する「日本語版チームに対する心理的安全尺度看護師用(JPSN)」を作成し,信頼性と妥当性を検討した。方法:Amy Edmondson(1999)のTeam psychological safety scale を開発者の許諾を得て翻訳した。逆翻訳と研究者間のレビューを行い暫定版を作成し,病棟看護師チームに所属する看護師を対象に無記名自記式質問紙を用いてWeb調査を行った。結果:515名を分析した。探索的因子分析にて原版同様の1因子7項目が抽出され,確認的因子分析にて良好な適合度を示した。尺度全体の信頼性係数(.787)と構成概念妥当性の検討より,信頼性と妥当性が示された。結論:JPSNは本邦の看護師に使用できることが確認された。今後,心理的安全認識と看護実践との関連性の探求が期待される。
著者
浅海 菜月 安達 圭一郎 大神 綾夏
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.5_897-5_903, 2023-01-20 (Released:2023-01-20)
参考文献数
19

目的:心理的安全を用いたモデルを看護師の職務場面に応用するため,看護師の心理的安全認識を測定する「日本語版チームに対する心理的安全尺度看護師用(JPSN)」を作成し,信頼性と妥当性を検討した。方法:Amy Edmondson(1999)のTeam psychological safety scale を開発者の許諾を得て翻訳した。逆翻訳と研究者間のレビューを行い暫定版を作成し,病棟看護師チームに所属する看護師を対象に無記名自記式質問紙を用いてWeb調査を行った。結果:515名を分析した。探索的因子分析にて原版同様の1因子7項目が抽出され,確認的因子分析にて良好な適合度を示した。尺度全体の信頼性係数(.787)と構成概念妥当性の検討より,信頼性と妥当性が示された。結論:JPSNは本邦の看護師に使用できることが確認された。今後,心理的安全認識と看護実践との関連性の探求が期待される。
著者
白蓋 真弥 網木 政江 浅海 菜月 桐明 祐弥 生田 奈美可 安達 圭一郎 田中 愛子
出版者
山口大学医学会
雑誌
山口医学 (ISSN:05131731)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.165-173, 2021-12-02 (Released:2021-12-24)
参考文献数
13

【目的】新型コロナウイルス感染拡大の影響により,臨地での看護学実習の機会が減少した2020年度卒業生の看護実践能力を明らかにすること,さらにコロナ禍以前に看護基礎教育を受けた2018年および2019年度卒業生の卒業時看護実践能力との比較を通して,2020年度卒業生の看護実践能力の特徴を明らかにすることを目的とした.【方法】2020年度卒業生77名および既卒生56名に対し,無記名選択式一部記述式の自記式質問紙調査を実施した.【結果】有効回答率は2020年度卒業生74.0%,既卒生35.7%であった.2020年度卒業生の看護実践能力の平均点が高かった項目は「看護の実施にあたり,その人の意思決定を支援することができる.」や「多様な価値観・信条や生活背景を持つ人を尊重する行動をとることができる.」等のヒューマンケアの基本に関する実践能力群に含まれるものであった.また,感染防止対策に関する項目も平均点が高かった.2020年度卒業生および既卒生の平均点を比較したところ,66項目中62項目で2020年度卒業生の平均点が有意に高かった.また,既卒生平均点の順位を基準として,2020年度卒業生平均点の順位を比較し,順位が大幅に下降した項目は,実施する看護の根拠と方法を人々に合わせ説明すること,回復期や慢性的な健康課題に関する看護等であった.一方で順位が大幅に上昇した項目は,家族アセスメントやエンドオブライフケア等であった.【結論】2020年度卒業生は一定の看護実践能力を身につけることができたと自己評価していた.しかし,臨地で実習できていないために,現実的な視点からの評価ができていない可能性があった.