著者
神野 巧矢 山口 隆司 浅野 貴弘 伊川 嘉昭 小山 雅己 水内 將司
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.3, pp.22-00119, 2023 (Released:2023-03-20)
参考文献数
15

既設鋼橋の性能回復・向上を目的に,高力ボルト摩擦接合を用いて鋼部材を付加する当て板補修・補強が行われている.本研究では,曲げを受けるI桁下フランジ当て板補修・補強部の荷重伝達区間に着目し,当て板厚やボルト間隔がそれに及ぼす影響を明らかにするため完全弾塑性解析を実施した.また,部分欠損補修における当て板の配置が補修効果に及ぼす影響を検討した.結果,荷重伝達区間は,当て板厚およびボルト間隔が小さいほど短縮された.また,ボルト間隔が小さいほど結果的に荷重伝達区間に必要なボルト本数が増加するため,すべりを生じた本数は減少した.本解析の部分欠損補修では,当て板を片側に1枚とするのではなく,2面摩擦として両側に当て板厚が半分の当て板を2枚とすることで荷重伝達区間を短縮でき,欠損部の応力をより低減できた.