- 著者
-
浜住 啓之
伊藤 泰宏
宮沢 寛
- 出版者
- 一般社団法人電子情報通信学会
- 雑誌
- 電子情報通信学会論文誌. B-II, 通信II-無線通信・無線応用 (ISSN:09151885)
- 巻号頁・発行日
- vol.80, no.6, pp.466-474, 1997-06-25
- 参考文献数
- 15
- 被引用文献数
-
54
本論文では, 将来のディジタル放送の移動受信等の広帯域伝送路における周波数選択性フェージング対策として, 複数のアンテナで受信した広帯域信号を周波数領域においてそれぞれ複数の狭帯域 (サブバンド) に分割し, 各々のサブバンド単位で選択又は合成を行うサブバンド分割スペースダイバーシチ (SB-SD) 方式を検討している. 一例として, SB-SDをOFDMの受信に適用し, OFDMにとって条件の厳しい等振幅の単一エコーモデルおよび3波レイリーモデルにおいて, 誤り率特性の計算機シミュレーションを行った. レイリーモデルにおけるDQPSK-OFDMの誤り率特性をSB-SDなしの場合と比較した結果, SB-SDを構成するアンテナのブランチ数が2本の場合は約17dB, 3本の場合は21dB, 4本の場合は23dBのダイバーシチ利得 (BER=2×10^<-3>) が得られた. また, レイリー環境における多相DPSK-OFDMについても良好な特性が得られ, 受信側に本ダイバーシチを適用することにより, 広帯域信号の移動受信時の特性を大幅に向上できる可能性があることがわかった.