- 著者
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佐戸川 弘之
浜田 修三
板橋 邦宏
島貫 公義
千葉 惇
鶴谷 善夫
橘 文紀
星野 俊一
- 出版者
- 公益財団法人 日本心臓財団
- 雑誌
- 心臓 (ISSN:05864488)
- 巻号頁・発行日
- vol.19, no.5, pp.616-621, 1987-05-15 (Released:2013-05-24)
- 参考文献数
- 32
心臓に原発する悪性腫瘍は,極めて少なく剖検で確診がつく症例がほとんどである.最近我々は,心外膜原発の血管肉腫の1例を経験した.症例は54歳女性,呼吸困難を訴え入院し,胸部X線写真では心拡大著明,心電図では低電位を認め,CT,心エコーにより悪性腫瘍も疑われたが,血性心嚢液貯留による心タンポナーデを繰り返したため心膜開窓術を施行したが,3カ月後に死亡した.剖検にて,腫瘍は心外膜全体に散在し,右房右室壁へも浸潤,肝,脾,肺,骨髄,右卵巣に転移しており,組織学的には心外膜原発と思われる血管肉腫であった.本邦では自験例も含めて,心臓原発血管肉腫の報告例は1986年まで23例であり,心外膜原発は4例であった.これら23例につき検討を加え報告する.