著者
香西 みどり 石黒 恭子 京田 比奈子 浜薗 貴子 畑江 敬子 島田 淳子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.51, no.7, pp.579-585, 2000-07-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
14
被引用文献数
12

米を加水比1.5で炊飯し, 米粒と炊飯液に含まれる還元糖および遊離アミノ酸量を洗米後の浸漬 (20℃, 1h), 加熱 (温度上昇速度6.6℃/min), 蒸らし (15min) の各段階において測定した.(1) 生米に含まれる還元糖量は洗米により2/3に減少し, 40~60℃の問で米粒, 炊飯液ともに最大の増加を示した.還元糖量の増加にはグルコースの寄与が大きかった.炊飯過程 のこれらの糖の変化に米粒内部の酵素の分布や温度依存性の違いが関与していた.(2) 生米に多く含まれるアスパラギン酸, グルタミン酸量は洗米により約1/5に減少した.これらのアミノ酸量は浸漬により炊飯液中で増加し, 米粒では 80℃~沸騰の問で増加した.(3) 還元糖および遊離アミノ酸量を米粒および炊飯中の水分に対する濃度で表した結果, 米粒では最大値が還元糖では60℃, 遊離アミノ酸では沸騰直前にあり, 炊飯液ではいずれも沸騰直前にあった.