著者
浦田 あゆち
出版者
大阪大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2012-08-31

う蝕(むし歯)の原因細菌である Streptococcus mutans は,血液中に侵入し病原性を呈することがあることで知られている.本研究では,マウス腸炎モデルを用いて S. mutans による炎症性腸疾患の悪化のメカニズムを検討した.その結果, S. mutansを取り込んだ肝臓実質細胞は,IFN-γを産生しαAGPおよびアミロイドA1といったタンパクにより炎症反応を増幅させることで免疫機構の不均衡が生じ,腸炎の悪化につながる可能性が示唆された.またマウス腸炎の悪化が抗IFN-γ 中和抗体により緩和されることが示された.