著者
中山 聖也 浦野 昌一
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022)
巻号頁・発行日
pp.2D6GS205, 2022 (Released:2022-07-11)

電力は日々、各電力会社の需要想定に基づいて供給が行われている。電気は貯めておく事が難しい特徴を持つ為、常に需要と供給のバランスを取ることが重要であり、このバランスが著しく崩れた場合は大規模な停電に繋がる可能性も存在する。電力需要は人々の生活と密接に関係しており、1日の中で昼にかけて増加し夕方以降低下する事や冷暖房の使用によって夏冬に増加する事といった日ごとや季節ごとの周期的な変動をする事が知られている。そのため、高精度な電力需要予測には時系列データの解析に適した手法を用いる事が望ましい。これらを踏まえて、従来の機械学習の手法としてRNNを用いた手法が存在し、RNNは短期的な依存関係の学習は可能である一方、長期的な依存関係の学習が難しいという課題がある。この課題を解決する手段の1つとしてRNNの派生の一種であるLSTMが提案されている。本稿ではこれらの2つの手法を電力需要予測に適用し、比較・検討する事で電力需要予測の高精度化を目指す。
著者
池田 健一郎 浦野 昌一
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022)
巻号頁・発行日
pp.2D6GS204, 2022 (Released:2022-07-11)

近年、再生可能エネルギーへの注目が高まっている中、太陽光発電は固定価格買取制度などの国の積極的な政策により導入量が増加傾向であり、それに伴い太陽光発電の活用が高まっている。太陽光発電は気象状態に影響を受けやすく、特に日射量が太陽光発電量と強い相関性を持つことから、太陽光発電量予測と同時に日射量予測の研究が盛んに行われている。しかし、太陽光発電は、気象に依存しやすいことで安定的な供給に課題がある。電力系統運用の発電計画を立てる際には、各発電の発電量を正確に把握する必要があるため太陽光発電量の高精度な予測が必要とされている。本研究では、気象データの特徴を捉えた分類モデルの構築を行い日射量予測の精度向上を目的とする。 筆者らはこれまでの研究において、気象庁が提供している天気概況を用いて決定木により分類モデルを作成し天気状況を予測した後、XGBOOSTを用いて日射量予測を行った。本稿では、気象データにクラスタリング手法を用いて新たな天気状況分類を作成し、より日射量予測に適した天気状況分類モデルを構築することで、日射量予測の精度向上を目指した。
著者
竹中 幹 浦野 昌一
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.1G4GS2c05, 2021

<p>近年、不規則に経済情勢が変化し、 多くの企業の情報がインターネットに飛び交う中、投資家はリスク回避のため様々な情報を元に企業を評価し、株の売買の意思決定をすることが必要となってきている。しかし、投資家がそれら全ての情報を評価することは困難である。そのため、現在、莫大な情報を正しく評価することが求められている。そこで本稿では、投資家の意思決定を手助けするために、ネットニュースなどの株価に関する企業の情報に自然言語処理を用いることで新たな入力変数を導入し、株価の「始値」「終値」「高値」「安値」とともに予測モデルに適用することを提案する。予測手法としては、重回帰モデルとニューラルネットワークを用いる。複数の個別企業銘柄の株価予測に提案法を適用し、シミュレーションにより提案法の有効性を比較検証することで高度な株価予測を目指す。</p>
著者
荻原 航大 浦野 昌一
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.2P4J204, 2019 (Released:2019-06-01)

昨今,世界情勢は大きく変動している.世界各国の政策や国家間の関係などが複雑に絡み合い,世界規模での不安定な経済状況となっている.このような情勢の中では,規模の大きさに関わらず企業の中長期的な経営戦略の決定や,強いては個人単位でもリスクマネジメントが必要となってくる.そのためにも,経済状況を把握し,予測を立て,経済の動向を追っていくことが必要である.そこで本稿では,経済動向の分析のための経済指標予測に対して精度の向上,及び,リスク低減を目指す.筆者等は先行研究において,重回帰モデルとANNを組み合わせて新たな予測値を算出するHybrid予測モデルを構築し,リスク低減を目的として,翌日最大電力需要予測に適用してきた.そこで本稿では,経済指標予測におけるテクニカル分析に役立てるため,これまで構築してきたHybrid予測モデルを適用し,リスク低減を考慮した経済指標予測モデルを提案する.シミュレーションより,予測対象を日経225先物価格としたHybrid予測モデルでは,予測精度を確保しつつ,最大予測誤差率と標準偏差を抑制し,リスク回避を可能とする結果を得たので報告する.