- 著者
-
浮田 正夫
- 出版者
- 山口大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2001
本年度は大型貨物自動車の燃料消費について調査し、長距離輸送にかかるエネルギー消費について主として検討を行った。運送業者に往復の燃料消費の違いについて聞き取りを行ったが、往路、復路別々の燃料消費の情報を得ることは容易ではなかった。わずかに収集できた16台のデータより、エネルギー消費の式を求めたところ、y:燃費係数kcal/km、x:車重量(=自動車自体の重量+積荷等の重量)kgとして、y=36.2x^<0.419>、R^2=0.80なる式が得られた。また燃費基準から整理すると、ジーゼル貨物車のエネルギー消費についても同様に、オートギアの場合y=49.0x^<0.383>、R^2=0.94、手動ギアの場合はy=51.2x^<0.354>、R^2=0.99なる式が得られた。手動ギアのガソリン貨物の場合、y=4.8x^<0.697>、R^2=0.96、ガソリン乗用車の場合、y=1.44x^<0.856>、R^2=0.97であった。確認の意味で、燃費計を装着した6台のバンタイプを含む乗用車を用いて、乗客数を変化させて、燃費実験を行ったところ、低燃費車でy=113x^<0.197>、R^2=0.96、あるいはy=100x^<0.214>、R^2=0.95、バンタイプ車でy=158x^<0.234>、R^2=0.79なる式が得られた。停車時においてもエネルギーを消費することから、見かけ上指数部が1より小さくなる傾向がある。いずれにしても、実際上は指数部を1にとることには問題があるようであった。ケーススタディとして山口県における木質バイオマスを全て宇部市に集める場合の集積費用及びエネルギー消費の試算に当たっては、上記の16台のデータを用いて、エネルギー消費は車重量の0.5乗に比例するとした式、y=16.2x^<0.5> R^2=0.74を用いて解析を行った。その結果、中間処理施設を19ケ所、13ケ所、6ケ所と集約すると、費用的にもエネルギー消費的にもかえって不利になることが分かった。また集積に要するエネルギー消費はバイオマスの持っているエネルギーの0.51%〜0.67%であった。