著者
海老野 耕一 首藤 康文 高橋 和明
出版者
Japanese Association for Laboratory Animal Science
雑誌
Experimental Animals (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.611-613, 1993-10-01 (Released:2010-08-25)
参考文献数
12
被引用文献数
4 7

ウサギは食糞行動を示す代表的動物種である。従来よりウサギは軟糞・硬糞の2種類の糞を排泄し, その内軟糞だけを摂取すると報告されてきた。しかし, ウサギの食糞行動を詳細に観察したところ, ウサギは軟糞同様に硬糞も摂取していた。従来, ウサギはその栄養価値が高いゆえ軟糞のみを摂取すると言われていたが, 栄養価値の低い硬糞も食べていることが本実験で明らかになった。得られた成績から, ウサギの食糞行動は結腸もしくは直腸内にあってそれらの壁を内側より伸展する糞そのものの刺激によって誘起される可能性があると考えられた。