著者
深野 和裕
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.65, no.9, pp.452-455, 2017-09-20 (Released:2018-03-01)
参考文献数
5

高等学校の化学で,光を発する現象として最初に出てくるものは炎色反応である。この反応においては原子が外部からエネルギーを与えられ,安定した基底状態から不安定な励起状態にされる。この励起状態にされた原子が基底状態に戻るときに吸収したエネルギーを可視光線の領域で放出する。ここでいうエネルギーは熱のほかに光,電気などもある。しかし,光を発する現象は炎色反応以降は記述がほとんどなく,有機化合物の分野で紹介されている程度である。自ら光を発する生物や紫外線などを照射することで光を発する鉱物が確認されている中から,身の回りにある発光現象とアルカリ土類金属を主とする無機物質を母体として取り扱う実験を紹介する。
著者
深野 和裕
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.62, no.8, pp.396-399, 2014-08-20 (Released:2017-06-16)

スズは,周期表の14族の炭素族に属し,単体は銀白色のやわらかい金属で展性や延性があり,人間生活に古くから関わっている。たとえば,包装材としてスズ箔,鉄板にスズを塗布したブリキ,食器などに用いられている。合金の青銅は,紀元前より武器や美術品などに用いられてきた。同じ合金のハンダは鉛とのいろいろな配分で作られてきた。しかし,最近では,環境への影響を考えて,鉛フリーのものが開発されている。様々なものに利用されてはいるが,一番利用されているのは,なんといってもブリキである。ここでは,高校の授業の中で紹介されていることと人間生活とスズの関わりを含めて紹介する。