著者
田村 雅成 神山 達哉 添田 隆弘 兪明連 横山 孝典
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.53, no.12, pp.2660-2670, 2012-12-15

モデルベースによる組み込み制御ソフトウェア開発の効率向上のため,SimulinkモデルをUMLモデルへ自動変換するモデル変換環境を提案する.一般に,組み込み制御ソフトウェア開発は制御設計とソフトウェア設計の2段階で行う.制御設計ではMATLAB/Simulinkを用いて制御ロジックをSimulinkモデルとして設計することが多い.一方,ソフトウェア設計ではUMLモデルを用いて設計を行うのが一般的である.本研究では,制御設計からソフトウェア設計への移行をスムーズに行うために,SimulinkモデルからUMLモデルへの変換ツールを開発した.本ツールが生成するUMLモデルはデータとデータの算出処理をカプセル化したクラスからなる.また,変換後のUMLモデルの再利用性向上のため,変換元のSimulinkモデルに対して階層化を行うが,その階層化作業を効率化するため,階層化支援ツールを開発した.そして,複数のSimulinkモデルに対して適用実験を行い,その有用性を確認した.