著者
小川 智久 小延 裕之 鴨井 久一 太田 泰史 清水 政之 山田 昌彦
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.354-358, 1996-09-28 (Released:2010-08-25)
参考文献数
10

イソジンガーグル ® の含嗽による歯周疾患に対する効果を検索した。成人性歯周炎と診断された初診患者20名を対象とし, 初期治療の一環として1日4回, バス法によるブラッシングとイソジンガーグル ® による含嗽を行う群とブラッシングのみによる群に分け, 初診時, 1週目, 2週目に臨床診査および歯肉縁下プラークのサンプリングを行い, 位相差顕微鏡による微生物の形態学的分類およびその計数を行った。その結果, 臨床パラメータでは実験群においてPlaque Index, Gingival Indexの有意な減少が認められたが, 対照群ではPlaque Indexのみ有意な減少が認められた。細菌叢は, 運動性桿菌の数が実験期間を通じて実験群のほうが対照群に比較して有意な減少が認められたが, それ以外については有意な変化は認められなかった。以上のことから, イソジンガーグル ® による含嗽は臨床症状の改善のみならず, 口腔内の細菌叢を臨床的に健康な状態に保つことから, 日常におけるその有用性が示唆された。