著者
日本歯周病学会
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.S1-S6, 2000-03-28 (Released:2010-08-25)
参考文献数
39

抗真菌剤が歯周治療の新しい治療薬として一部で利用され, 朝日新聞, 歯科商業雑誌および一般週刊誌に掲載され臨床の場で一部の歯科医師に混乱を招き, 歯周治療がゆがめられ, 国民の口腔保健をも脅かす事態となっています。日本歯周病学会は国民の口腔保健に寄与すべく, 合理的で効率のよい歯周治療の定着とその質的向上を目指して, 1996年には歯周治療のガイドラインの策定にも関与しました。また一昨年 (1998年) より各地で地元歯科医師会の協力を得て臨床研修会を主催し, 歯周治療の充実, 普及にも努めてまいりました。このような経緯から, 本学会においても今回の事態を憂慮し, 理事会および常任理事会で数回に渡り検討し, 抗真菌剤の歯周治療薬としての利用に関して学会として共通の見解を提出すべきとの結論に至り, 本報告を作成いたしました。本報告が臨床の先生方の歯周治療の正しい理解の一助となり, 効果的な歯周治療が普及して, 歯周治療に対する正しい理解を改めて喚起し, 歯科医師が国民の口腔保健, ひいては全身の保健に寄与できれば幸甚です。

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著者
菅野 直之
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.63-67, 2017-06-30 (Released:2017-07-25)
参考文献数
26
著者
辻上 弘
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.46-54, 2002-03-28 (Released:2010-08-25)
参考文献数
18
被引用文献数
4 3

オゾンは強力な酸化作用を有する気体で, その殺菌効果は様々な分野に応用されている。現在, 医科領域では, 末梢血液循環障害, 潰瘍, ウィルス感染症等の治療にオゾンが用いられている。本研究は, 歯周組織由来細胞ならびに歯周病原細菌に対するオゾン治療の影響について検索し, 歯周治療におけるオゾンの有用性を明らかにすることを目的とした。オゾン水処理後の歯周組織由来平面培養細胞に対する細胞傷害性はFDA-PI二重染色法を用いて評価した。浮遊細胞に対しては, オゾン水処理後6時間培養し, 付着した細胞数により評価した。歯周病原細菌および歯肉縁下プラーク細菌に対する殺菌効果はオゾン水処理後, 平板培地に塗抹し発現したコロニー数を計測することにより評価した。その結果, オゾン水による細胞傷害性は, 平面培養細胞に対しては軽微で, 浮遊細胞において著明に認められた。また, 5%ウシ胎仔血清含有ダルベッコ変法イーグル培地 (DMEM) はオゾン水による細胞傷害性を減弱した。これらのことは細胞外基質, またDMEMの含有する血清や有機物がオゾンの傷害に対し抑制的に働くことを示唆するものと考えられる。またオゾン水による殺菌効果は, 歯周病原細菌に対して著明に認められ, 食物残渣や細菌産生物質を多く含む歯肉縁下プラーク中の細菌に対しても, 濃度依存的に効果が認められた。以上のことからオゾン水の歯周治療における有用性が示唆された。
著者
森田 学 稲垣 幸司 王 宝禮 埴岡 隆 藤井 健男 両角 俊哉 伊藤 弘 山本 龍生 吉江 弘正
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.352-374, 2013-01-16 (Released:2013-04-24)
参考文献数
106

2011年8月「歯科口腔保健の推進に関する法律」が公布・施行された。高齢化が進む中,生涯を通じて歯科疾患の予防や口腔機能の維持に取り組み,国民が健全な生活を営める社会の実現に向けた法的な整備が開始したことになる。この動きを受けて,本論文では,日本歯周病学会として,ライフステージごとの歯周病予防戦略について提案する。How to 式ではないので,「読んですぐ実践できる」という種類のものではない。むしろ,どのような考えをベースにこれからの歯周病対策をすべきか,診療室・地域において,歯周病学会会員ならではの活躍の参考資料になればと願う。日本歯周病学会会誌(日歯周誌)54(4):352-374, 2012
著者
八島 章博 鈴木 丈一郎 田村 紗恵子 松島 友二 五味 一博 新井 髙
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.159-167, 2015-12-28 (Released:2015-12-29)
参考文献数
34

近年,音波歯ブラシが一般に普及している。音波歯ブラシの利点は高振動数によりプラーク除去効率に優れ,歯周ポケット内細菌に影響を与えていると考えられる。しかし,音波歯ブラシの歯周ポケット内細菌への影響を評価した研究は少ない。本研究では,音波歯ブラシのプラーク除去効果と臨床パラメータの変化,歯周ポケット内細菌への影響について評価した。振動数の異なる音波歯ブラシ3種と手用ブラシを無作為に40名の被験者に割り振り,使用前,2, 4週後に臨床パラメータ(Probing Pocket Depth, Gingival Bleeding Index, Gingival Index)とPlaque Control Recordを評価した。歯周ポケット内細菌はPCR-Invader法により総菌数と歯周病原細菌数を評価した。全歯ブラシで,ベースライン時に比べ,4週後のPlaque Control Recordと臨床パラメータで改善傾向を認めた。歯周ポケット内細菌は,いずれの歯ブラシでも総菌数の顕著な変化はみられなかったが,歯周病原細菌の中には音波歯ブラシの使用によって減少傾向を示す細菌種も存在した。以上より,どの歯ブラシを用いても縁上プラークの減少と臨床パラメータの改善が認められ,一定の効果を有することが示された。また,音波歯ブラシは,歯周ポケット内細菌叢に影響を与える可能性のあることが示唆された。
著者
島村 沙矢香 菅野 直之 岡部 茂子 山内 桂子 伊藤 公一
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.191-196, 2011 (Released:2012-04-12)
参考文献数
15

本研究は, 患者が超音波歯ブラシを購入し, 歯科衛生士などから口腔清掃指導を受けることなく独自に使用することを想定し, 超音波歯ブラシに添付された説明書を一読しただけで, どの程度のプラーク除去効果が得られるかを手用歯ブラシのプラーク除去効果と比較検討した。被験者は日本大学歯学部付属歯科病院の事務職員, 男性10名, 女性20名で, 過去に口腔清掃指導を受けたことがない者とした。研究開始より1週目は手用歯ブラシを, 2週目は超音波歯ブラシを使用した。両歯ブラシを使用した際のO'Learyらのプラークコントロールレコード(PCR)は, 手用歯ブラシ(47.2±10.9%)と超音波歯ブラシ(45.0±13.5%)との間で統計学的有意差は認められなかった。部位別のPCRも両歯ブラシ間に有意差は認められなかった。超音波歯ブラシにおいてPCRの低い人は, 手用歯ブラシにおいてもPCRは低く, 超音波歯ブラシにおいてPCRの高い人は手用歯ブラシでもPCRが高いという結果が得られ, 手用歯ブラシと超音波歯ブラシのPCRに統計学的に有意な相関関係が認められた(P<0.01)。本結果から, 手用歯ブラシから超音波歯ブラシに変更する際に説明書を一読しただけでは, 有意な口腔清掃効果の改善はみられず, 口腔清掃用具の選択よりもブラッシング手技の向上が, 口腔清掃の改善に重要であることが示唆された。日本歯周病学会会誌(日歯周誌)53(3) : 191-196, 2011
著者
池野 直人 笹谷 育郎 高瀬 俊博 藤井 敦子 石川 純
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.193-200, 1979-06-28 (Released:2010-07-16)
参考文献数
32
被引用文献数
1 1

The important role of plaque control has been recognized recently. The goal of plaque control is based on a continuous activity by patient himself. It is a main point that dentist gives them propelling power to lead them to the activity; that is “Motivation”. And how to motivate the patient is a great subject.There are many clinical reports of motivation, however it was very hard to find corroborative studies concerning estimation of the effect of motivation for plaque control. H. M. Goldman emphasized the importance of motivation in 1940, and stated that initial preparation combined with tooth brushing is essential to the all patients with periodontal disease. We believe that motivation to all dental patients is indispensable to control plaque thoroughly.The purpose of this experiment is to make clear the effect of motivation in tooth brushing instruction. The patirnts were separated to three groups as follows; 1) Brushing instruction without motivation 2) Motivation with brushing instruction 3) Control. The amount of plaque accumulation was measured before and after the experimental period. To standardize the contents of motivation and tooth brushing instruction for individual patients, a home made cassette tape was prepared and presented on closed circuit TV. Any personal chair side instruction was not given during experimental period. Plaque was stained using liquid of Plak-Lite and was evaluated by U. S. Navy Plaque Index (Modified).
著者
福田 亨 河谷 和弘 渡辺 幸 石川 純
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.17-23, 1972-02-29 (Released:2010-07-16)
参考文献数
15

To induce artificial mouth breathing on experimental animals has extremely been difficult because of its immediate death following nasal sealing treatment, and we could find only an imitating experiment reported by Butcher et al (J. Periodont. 32: 38, 1961). The purpose of this study is to induce absolute mouth breathing in rats and to investigate histopathological changes of their gingival tissues. Thirty six of Wister strain rats were equally divided into control and experimental groups. To induce absolute mouth breathing artificially, the nose of all experimental animals were sutured using thin wire and metallic buttones. After two weeks of experimental period, animals were sacrificed and materials were obtained.Consequently, we could find much more remarkable hyperkeratinization of epithelial layers in the experimental animals than the control. Inf lammatoric changes, however, were found in both groups of animals, but less in control. As the conclusion of this investigation, absolute mouth breathing may induce hyperkeratinization of the epithelial tissues, but does not initiate gingival inflammation following two weeks of experiment.
著者
鴨井 久一 宮田 裕之 扇 正一 清水 智幸 小出 和良 中島 茂 小島 武志 西澤 聡 東堤 稔 坂本 雅子 土屋 利政 波多江 新平
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.660-666, 1990-06-28 (Released:2011-06-15)
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

歯周病原菌といわれる7菌種 (Bacteroides gingivalis, Bacteroides intermedius, Bacteroides melaninogenicus, Fusobacterium nucleatum, Actinobacillus actinomycetemcomitans, Capnocytophaga ochraceae, Eikenella corrodens) 及び対照として2菌種 (Streptococcus intermedius, Pseudomonas aeruginosa) に対して, ポビドンヨード液 (10% PVP-1) を用いて, その殺菌効果をin vitroで検討した。希釈倍率は原液及び100倍, 400倍, 800倍, 1, 600倍, 3, 200倍, 6, 400倍, 12, 800倍までを設定し, PVP-I接触時間は15秒, 30秒, 60秒とした。その結果, 歯周病原菌7菌種, 対照2菌種に対するPVP-Iの殺菌効果は, 400倍希釈, 15秒 (最少接触時間) で殺菌効果が認められた。このことは, 口腔粘膜の殺菌及び歯周ポケット内へのPVP-I薬液投与の有効性を示唆するものである。
著者
尾形 美和 白井 要 古市 保志
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.47-56, 2019-03-29 (Released:2019-03-28)
参考文献数
9

歯科処置の中でも歯周治療は治療頻度が高い処置であるが,観血処置であることからも菌血症を引起す可能性がある。本症例は,人工弁置換術の全身既往がある患者に対し,感染性心内膜炎予防に配慮し非外科的に歯周治療を行いSPTに移行した一症例である。患者は67歳男性で,下顎前歯の動揺を主訴に来院した。歯科既往歴が僅少であることで,歯科恐怖症を抱え,脳梗塞の既往から右半身麻痺であった。さらに多数の全身性疾患を有しており,付随し服用薬剤も多種であったことから,内科との連携を密に歯周治療を行うこととした。患者には,心臓弁置換術の既往があると菌血症によって感染性心内膜炎を併発するリスクが高く,歯周病がその動因になり得ることを説明した。その上で患者自身の口腔環境が,実際に菌血症を引起こしやすい状態であること,またブラッシングの重要性を説明し歯周治療の必要性を訴え歯周治療参加への同意を得た。結果,主訴である下顎前歯(41歯)は抜歯処置となったものの,歯周基本治療後の再評価時にはPCR値17.2%となった。また下顎前歯部に対し,当初の治療計画では補綴処置を行う予定であったが,歯周組織状態が安定していることからMTMを行い,歯列不正を正すことでブラッシングを行いやすい歯周環境を構築することとした。延いてはPCR値20%以下を維持しSPTに移行した。SPT中もブラッシングに対し高いモチベーションを保持していたため,全身疾患も悪化することなく経過した。感染性心内膜炎の発症を予防するためにも口腔衛生管理の徹底は不可欠である。
著者
高橋 佳奈 藤本 梓 藤本 淳
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.192-200, 2018

<p>広汎型重度慢性歯周炎患者を歯周基本治療にて治療した一症例について報告する。</p><p>患者は42歳女性。3ヶ月前から歯肉の発赤,腫脹が著しく出血が多くなったため前医を受診,当院を紹介され来院した。臨床所見は全顎的に歯肉の発赤,腫脹を認めた。特に上顎左側部には炎症性歯肉増殖がみられた。プロービング時の出血(BOP):31.9%,プロービングポケットデプス(PPD):4 mm以上52.1%,O'Leryのプラークコントロールレコード(PCR)50%。エックス線所見では下顎前歯部および臼歯部の一部に垂直性骨吸収を認めた。</p><p>検査結果の説明と口腔清掃指導を繰り返し行い,スケーリング・ルートプレーニングを行った。患者のモチベーション向上の一環として,長期経過や生活背景を患者とともに確認し,口腔内の状態について患者自身の理解の向上を図った。歯周基本治療が進行するとともに口腔清掃状態が向上し,歯肉の腫脹が消退した。再評価時にデンタルエックス線写真上で歯槽骨の改善を観察したため,歯周外科治療は行わず,口腔機能回復治療を行った。2015年9月サポーティブペリオドンタルセラピー(SPT)へ移行した。</p>