著者
清水 結
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.46, pp.F-25-F-25, 2019

<p> 筆者は,これまでスポーツ医科学施設,国内トップスポーツチーム,日本代表,海外リハビリ施設と,様々な領域や立場でスポーツと関わってきた。</p><p> 理学療法士免許取得後に主に関わってきたのは,女子バスケットボールのトップリーグのチームであった。体育系大学においてトレーナー活動を経験してきたことと,医療施設での治療に携わった経験が,現場での活動においては大きな糧となった。同時に医療現場にも身を置くことで,医療現場とスポーツ現場をつなぐ道筋,反対に間にあるギャップにも目を向けることができた。また,トップリーグおよびジュニア世代における外傷予防のための外傷調査および予防介入を行い,チームを超えるリーグ・協会組織の一員としての活動も経験してきた。</p><p> その後,日本バスケットボール協会専任トレーナーとして,女子日本代表チームに帯同する機会を得ることができた。代表チームにおいては,他チームから集まる選手を管理する点で,一チームに所属して選手に対応する場合とは大きく異なる経験となった。また,リーグに所属するトレーナーや代表に関わるトレーナーの人材不足および育成の重要性を痛感した。</p><p> その後,韓国のリハビリ施設の開設を任され,施設運営やスタッフ育成を手掛けた。トップ選手の対応に従事しながらも,言語や環境,習慣や思考など,様々な面で日本との違いに戸惑いながら,また日本のスポーツ理学療法士の存在や役割について見直すきっかけとなった。</p><p> 今回はこれまでの私自身の経験をもとに,様々な活動場所における役割とスポーツ理学療法士として心がけていることをご紹介できればと思う。また,今後多くの女性理学療法士がスポーツ現場で必要とされる中,スポーツへ参加しやすい環境づくり,人材育成について議論したい。</p>