- 著者
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八木 修
清水 駿平
- 出版者
- 公益社団法人 日本化学会
- 雑誌
- 日本化学会誌 (ISSN:03694577)
- 巻号頁・発行日
- vol.1995, no.1, pp.74-78, 1995
塩化物イオソを含まない,高純度な水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を合成した.オートクレープを用いトリメチルアミンと炭酸ジメチルをメタノール中で反応させ,炭酸テトラメチルアンモニウムメチルを得た.この場合,トリメチルアミンと炭酸ジメチルとのモル比を2としたが,炭酸塩は得られず,1対1付加物である炭酸メチル塩が得られた.この炭酸メチル塩を加水分解し,炭酸水素塩を得た.更にこの炭酸水素塩を,陽イオン交換膜を配した電解層を用いて電気分解し,目的の水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を効率良く得た.炭酸水素塩を電気分解した場合,他の塩類,例えばギ酸硫酸,塩化物を電気分解した場合と比べて,電流効率の低下という現象は見られず,効率良く電解生成物が得られた.このような電流効率が良い理由として,炭酸水素塩の場合,他の塩類と異なり,陽極液中に酸性物質が蓄積されないためである,と推察した.このようにして得られた水溶液中の金属イオン濃度は,すべて10ppb以下であった.また,炭酸塩の濃度は10ppm以下であった.