著者
渋谷 賢
出版者
杏林大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

標的(ターゲット)に向けて腕を伸ばす到達運動が空間的注意に及ぼす影響を調べた.到達運動中に標的が左右に不意に移動した場合,素早い修正運動が引き起こされたが,この潜時は腕と対側半空間に標的が移動した方が同側半空間よりも早く,最終的な到達位置も正確であった.この非対称性は,運動空間と視覚空間を乖離させたバーチャル環境下でも観察されたが,特に腕の動きが視覚空間に見えていることが重要であった.さらに,実際の到達運動のみならず,他者が到達運動を行っている映像を観察する際にも,空間的注意が実際の到達運動と同様に変化することを発見した.