著者
渡井 純
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.125, 2014

静岡県島田市の素材生産現場において、ベース車両8tクラスの小型スイングヤーダ(日立ZAXIS70+南星IW22)による「伐倒同時集材方式」について功程調査を行い、その生産性を評価した。<br> 間伐方法は列状間伐で、集材方法は全木による下げ荷集材(平均幹材積:0.404 m<sup>3</sup>)とし、作業は2名で行った。<br> 「伐倒同時集材方式」における伐倒-集材の労働生産性は0.97m<sup>3</sup>/人・時となり高い生産性を得ることはできなかった。先行伐倒集材で行った他の施業地では2.07 m<sup>3</sup>/人・時の労働生産性が得られており、集材木の平均幹材積(0.614m<sup>3</sup>)などの条件は異なるが、この施業地の1/2以下の生産性であった。<br> 「伐倒同時集材方式」で下げ荷集材の場合、伐倒が上方伐倒となることから伐倒に時間を要したことと作業員の連携不足により、搬器の伐倒待ちの発生時間が多くなってしまった。また、材を引き出す際に集材木が残存木に引っかかるなど、不慣れによるタイムロス等での生産性低下が考えられ、「伐倒同時集材方式」を効率よく行うには、ある程度の経験が必要であると思われた。