著者
堀内 浩貴 藍檀 オメル 渡嘉敷 直彦 NASIRY Nasir Zia
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集C(地圏工学)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.216-233, 2019

<p> 過去に具志川城址周辺で発生した海食崖の崩壊を受け,沖縄周辺の海食崖の調査を実施した.現場調査より,多数の海食崖崩壊面の劣化はほとんどが一様な状態であった.しかし,瀬底島で発見した海食崖は,崩壊面が劣化度合いの異なる3層構造の特徴的なものであった.亀裂の進展方法や岩盤劣化の仕方が他の海食崖とは異なると推定できることから,その原因を探る必要があると考えた.そこで,赤外線カメラによる劣化評価,崩壊時の亀裂を模擬した模型実験および劣化度合いの異なる3層構造を考慮した弾性有限要素解析により検証した.その結果,層ごとに引張亀裂の発生時期が異なっていたことで崩壊面の劣化状態に違いが生じた可能性が高いこと,岩盤に発生した引張応力が0.24-0.35MPaで崩壊した可能性が高いことが明らかになった.</p>