- 著者
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萬田 正治
山本 幸子
黒肥 地一郎
渡辺 昭三
- 出版者
- 日本家畜管理研究会(現 日本家畜管理学会)
- 雑誌
- 日本家畜管理研究会誌 (ISSN:09166505)
- 巻号頁・発行日
- vol.29, no.2, pp.55-60, 1993-11-10 (Released:2017-10-03)
- 被引用文献数
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牛の視力を牛の学習能力を利用した動物行動学的手法により検討した。そのため二叉迷路型の学習装置を用い、供試牛の前方左右に視力パネルとしてのランドルト環(正刺激)と同寸法の円(負刺激)を提示した。さらに配合飼料を視力パネルの後方に置き、供試牛が正刺激のランドルト環を選択した場合のみ、配合飼料が摂食できるよう学習訓練した。視力パネルの左右交換は乱数表によりランダムに行い、1セッション20試行とし、適合度の検定により、正反応率が80%以上に達した場合、供試牛はその学習試験を完了したとし、その供試ランドルト環を識別できたと判定した。ランドルト環は0.01のものから0.02刻みにその大きさを変えていき、識別できた最も小さいランドルト環の値をその供試牛の視力値とした。供試牛には鹿児島大学農学部付属農場入来牧場生産の成牛5頭を用いた。1号牛はランドルト環の0.08、2号牛は0.04、3号牛は0.07、4号牛は0.08、5号牛は0.07までそれぞれ識別することができた。したがって供試牛5頭の視力値はランドルト環図形ではおよそ0.04〜0.08の範囲を示し、人間に比べて視力が極めて弱いことが示唆された。日本家畜管理研究会誌、29(2) : 55-60.1993.1993年5月31日受理