著者
渡辺 純哉
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.246-254, 2021

<p>厚生労働省が,平成29 年度から令和元年度において実施した「老朽化した生産設備における安全対策の調査分析事業」<sup>1)~3)</sup>では,約500 事業場のデータから経年化した設備の労働災害リスクの要因として,「設備の老朽化」と「保護方策不備」の二つを挙げている.本稿では,当該報告書に記載されたデータを用いて,経年化した機械設備の保全方式や点検方法,労働災害防止のための保護方策などの安全対策について多変量解析を行った.経年化設備の点検箇所や点検項目について解析した結果,安全装置や安全装置の機能との相関性が高い解析結果が得られた.また,経年化設備では,安全装置の最新レベル化の点でも保護方策の不備による安全対策上の問題点があることが明らかとなった.解析結果について報告する.</p>