- 著者
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渡邉 一輝
林 海
山下 勝巳
- 出版者
- 一般社団法人電子情報通信学会
- 雑誌
- 電子情報通信学会技術研究報告. CAS, 回路とシステム (ISSN:09135685)
- 巻号頁・発行日
- vol.102, no.572, pp.7-12, 2003-01-15
ディジタル通信において符号間干渉を除去する等化器の1つにRBF等化器がある.RBF等化器はニューラルネットの構造を模倣することにより精度の良い等化結果が得られるものの,センターや重みの決定に複雑な評価関数を解く,または多くの計算量を要するという欠点がある.本論文ではRSC(received signal constellation)がそれぞれ重複した値を持たないチャネルにおいて,等化器の特徴を用いたクラスターマップにより,簡単な整列アルゴリズムと教師なしLMSアルゴリズムから等化器を設計できるブラインド法を提案する.まず,チャネル同定なしにRBFセンターを決定するため,教師なし学習のクラスタリングアルゴリズムであるneural-gasアルゴリズムを用いる.更に等化器の次数,チャネルの次数を基にクラスターマップを作成し,そのマップの特徴からセンターを分類する.このセンターを分類することでRBF等化器における重みの初期値を決定できる.従って,この値を基に教師なしLMSアルゴリズムによって重みを調整することにより多くの計算量を要せずRBF等比器を設計できる.