著者
渡邉 智明
出版者
九州大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

平成29年度は、主に、EU のグリーン公共調達や環境認証制度など、本研究の基礎となる部分について確認するため、文献収集の作業を行った。また、海外における大会の参加による関係者とのネットワークの構築、さらには一部関係へのインタビューを行うことができた。このうち、海外調査に関しては、6月にスイス・ジュネーブで開催されたISEAL(国際社会環境表示連合)の年次総会に参加して、参加した欧州のNGO関係者と意見交換を行い、今後の研究への示唆を得ることができた。また、9月には、マレーシア・マラッカで開催された、アジア太平洋持続可能な消費と生産ラウンドテーブル(APRSCP)」の年次大会に参加し、欧州のSwitch-Asiaの政策コーディーネーターと意見交換を行った。この中では、欧州レベルの環境ラベルの多元化状況、それを踏まえてSwitch-Asiaプログラムを展開している現状を確認することができた。また、合わせて、日本の協力機関であるIGESの関係者との知遇を得て研究の方向性について有益な意見を伺うことができた。また、11月の末には、ベルギー・ブリュッセルを訪問し、EUの当局者に対して聴き取りを行うことができた。この中で明らかになった限りでは、標準化部門や環境総局は、Switch-Asiaプログラムには関係していないことが明らかになり、むしろ開発部門が主導していることが伺われた。これを踏まえて、次年度以降は、EUの開発部門や開発NGOなどに焦点をあてた調査を行っていきたいと考えている。なお、これまでの一連の考察は、11月東アジア国連システム・セミナー(於北九州市)において一部を発表し、参加者から有益なコメントを得ることができた。