著者
渡邉 知佳子
出版者
防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

Celiac病は麦蛋白グルテンに対する異常な免疫応答により、絨毛が萎縮し吸収不良をきたす疾患で、欧米では罹患率約1%とされる。昨今、炎症性腸疾患(IBD)の我が国で急激な増加を鑑みて、同様の炎症性の腸疾患であるceliac病も、生活習慣の欧米化を背景に、潜在的に増加の可能性が示唆される。特に腹部症状が似ているIBD患者に潜在する可能性を考え調査した。特異的抗体の陽性例がみられたが、HLA・病理検査でceliac病確診例はなかった。血清抗体のみで、アルゴリズムに沿った診断を行わないとnon-celiac diseaseをceliac病と過剰診断する恐れもある。