著者
小野寺 毅 渡邊 一仁 芳賀 圭悟 伊藤 大介 伊藤 博 及川 浩人
出版者
宮城県水産研究開発センター
巻号頁・発行日
no.13, pp.7-14, 2013 (Released:2015-06-24)

宮城県北部に位置する志津川湾において,平均全長65mmのホシガレイ種苗を6月下旬から7月上旬に放流し,平均全長100mmで9月上旬から中旬に放流し,両者の回収状況を比較した。1) 6月下旬から7月上旬に放流した小型種苗の回収状況は,9月上旬から中旬に放流した大型種苗のそれと同等あるいは上回った。2) 従来の放流方法で実施した大型種苗の経済回収率は0.66であったのに対し,小型種苗のそれは1以上であった。3) 志津川湾では6月中旬から7月上旬に湾奥の河口付近の波打ち際から平均65mmで放流するのが経済的である可能性が示唆された。
著者
渡邊 一仁
出版者
一般社団法人 環境情報科学センター
雑誌
環境情報科学論文集 Vol.27(第27回環境情報科学学術研究論文発表会)
巻号頁・発行日
pp.227-232, 2013-11-26 (Released:2015-02-07)
参考文献数
7

本研究では,東日本大震災の津波による閖上地区のアカガイ漁業への影響把握を目的として,漁業基盤の現状,アカガイ資源の解析,および放射性物質の検出状況を整理した。漁業基盤では,漁船隻数を中心に緩やかな回復が期待された。また,アカガイ資源は分布密度や殻長組成の推移から増大していると判断された。放射性物質の検出状況についても,アカガイは基準値以下であり,アカガイ魚業の継続は十分可能であると考えられた。今後,漁獲物サイズを大型化する等の実施により,持続性を担保したアカガイ漁業の復興が期待される。