著者
渡邊 康子 薗田 徹太郎 菊地 香織 一ノ瀬 充行
出版者
財団法人さんりく基金
雑誌
三陸総合研究
巻号頁・発行日
no.24, pp.1-11, 2004-01-30

琥珀入り御香が生体にどのような生理的効果を及ぼすかを、脳波をその指標として検討した。被験者には、一定の安静状態の後に琥珀入り御香の香りを嗅いでもらい、その際に認められる脳波の変化を記録・解析した。その結果、頭頂・後頭領域において脳波が覚醒を示す高周波帯域へシフトしていることから、御香の香り刺激により覚醒状態へ移行したと考えられる。さらに、御香を燻らせている間よりも煙が止んだ後からα波レベルが上昇していた。したがって、御香の香りが薄らいでからの神経活動レベルの安定状態(リラックス)は、御香の成分を吸引することによる事後効果(after effect)と考えられた。以上のことから、琥珀入り御香には、香中のリフレッシュ効果ならびにその後のリラックス効果があることが示唆された。琥珀の持つこのような生体への効能を、新たな製品開発に活かしていくことは、三陸地域の振興に大きく貢献すると考えられる。