著者
渡邊 正元
出版者
The Society of Polymer Science, Japan
雑誌
高分子化學 (ISSN:00232556)
巻号頁・発行日
vol.6, no.56, pp.241-243, 1949

スベリン酸は從來コルク, ひまし油或はその他各種の油脂類を硝酸酸化して造つたが, 同時に生成する二監基酸との分離が困難であつた。ところがReppe により究究された方法によるとアセチレンから好收率でスベリン酸が出來るから, このものはポリアミドの原料として工業的に使用し得る可能性がある。そこで著者はアヂピン酸より次の方法でスベリン酸とオクタメチレンヂアミンを合成して, その重合物を造り紡糸したところ6.6ナイロンに劣らぬ強度をもち, 熱的にはより安定性の高い優れた繊維となることを見出した。<BR>次に以上の順に實驗の大要を述べる。