著者
水谷 仁 青野 麻由 渡部 愛子 三宅 絵里 佐伯 茂 小川 節郎
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.87-89, 2010-01-15 (Released:2010-02-19)
参考文献数
3

血清コリンエステラーゼ (ChE) が異常に低値を示した症例の麻酔を経験した. 症例は, 74歳, 女性. 今回, 胆石症に対し開腹胆嚢摘出術が予定された. 手術・麻酔歴はなく, 既往として悪性貧血, 高血圧を指摘されていた. 近医での血液検査でChE値の異常低値が20年にわたり認められていたが, 自覚症状がないため経過観察とされていた. 麻酔は, 胸部硬膜外麻酔併用全身麻酔を選択し, 術中は脱分極性筋弛緩薬, エステル型局所麻酔薬を避け, ベクロニウム, メピバカインを使用し特に問題なく手術, 麻酔を終了した. 血清コリンエステラーゼは薬物代謝に関与しているので, 術中に使用する薬剤の選択には十分な注意が必要と考える.