著者
温 笑トウ
出版者
東北大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2015-08-28

本研究は、支配株主の行為規制をめぐり、とくに支配株主との利益相反が問題となる不公正ファイナンスの場面を取り上げ、日本、アメリカ及び中国の現状規制とその背景にある諸社会条件を分析した。日本における支配株主の行為規制は、少数株主の自己救済に求めることを伝統とするアメリカと、国家や行政による審査・認可に委ねることを伝統とする中国の中間に位置付けられるが、いずれの面においてもうまく機能していない可能性があり、資本主義の本質と日本の現状法体制など観点からすると、救済手段の拡大とその前提となる開示情報の充実がより適切な解決方法ではないかと考える。その具体的な方法、本研究の各論文の中に議論されている。