著者
湯 華民 定岡 知彦 森 康子
出版者
日本ウイルス学会
雑誌
ウイルス (ISSN:00426857)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.221-236, 2010-12-25 (Released:2011-09-01)
参考文献数
171
被引用文献数
6 6

ヒトヘルペスウイルス6(human herpesvirus 6 : HHV-6)は,小児期のポピュラーな疾患のひとつである突発性発疹の原因ウイルスであり,90%以上の成人の体内に潜伏感染している.近年は,移植後患者におけるHHV-6再活性化による脳炎が問題となっている.また,HHV-6と薬剤過敏症症候群との関連性も示唆されている. ヒトヘルペスウイルス7(human herpesvirus 7 : HHV-7)は,健康成人の末梢血単核球から分離されたウイルスであり,HHV-6感染後の突発性発疹を引き起こすことが知られている.両者は,βヘルペスウイルス亜科に属する近縁なウイルスであり,主にT細胞において感染増殖し,子孫ウイルスを形成する.