著者
湯浅 孝康
出版者
特定非営利活動法人 日本評価学会
雑誌
日本評価研究 (ISSN:13466151)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.1_27-1_41, 2012-07-31 (Released:2014-05-21)
参考文献数
63

行政学では、 ‘Efficiency’ の訳語として伝統的に「能率」という言葉があてられてきた。しかし、近年では世間一般的に「効率」と訳されることが多い。これは新公共経営改革(New Public Management、以下NPM)の影響によるものと考えられる。「能率」と「効率」は同じ ‘Efficiency’ の訳語であるにも関わらず、わが国では「効率」を新たな概念として取り入れ、行政改革のキーワードとして使用されている。一方で、 ‘Efficiency’ そのものも学問分野を横断した統一的な定義がなされているわけではなく、また、1つの学問分野の中でもその概念は論者によって多様である。さらに、行政学のように同じ概念でも時代によって賞賛されたり批判されたりすることもある。以上から、「能率」であれ「効率」であれ、 ‘Efficiency’ を政策、施策、事務事業などの評価基準として用いるのであれば事前に明確な概念定義を行うことが必要である。また、それは1つの価値に過ぎず、その長所と短所について認識することが肝要である。