著者
溝井 令一 植田 真一郎 田中 耕一郎 千葉 浩輝 奈良 和彦 山元 敏正
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.1-7, 2019 (Released:2019-08-26)
参考文献数
34

神経変性疾患の連続74例について気血水スコアを用い気虚,気鬱,気逆,血虚,瘀血,水滞の有無(証の病態6項目)を評価し,同年代のその他神経疾患の連続149例を比較対照として比較検討した。年齢,性別,重症度も共変量とした多変量解析の結果,神経変性疾患ではその他の神経疾患と比較して血虚,水滞,気鬱の順で関連性が高く,調整済みオッズ比(95%信頼区間)はそれぞれ3.02(1.43-6.48),2.37(1.13-5.11),2.33(1.01-5.44)だった。神経変性疾患と最も関連性が高い証は血虚であった。四物湯類(四物湯加減)の処方を考慮することは,患者の苦痛軽減に寄与できる可能性がある。自覚症状に加え脈候,舌候,腹候など東洋医学的な尺度を用いた治療効果の判定が必要である。
著者
溝井 令一 植田 真一郎 田中 耕一郎 千葉 浩輝 奈良 和彦 山元 敏正
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.1-7, 2019

<p>神経変性疾患の連続74例について気血水スコアを用い気虚,気鬱,気逆,血虚,瘀血,水滞の有無(証の病態6項目)を評価し,同年代のその他神経疾患の連続149例を比較対照として比較検討した。年齢,性別,重症度も共変量とした多変量解析の結果,神経変性疾患ではその他の神経疾患と比較して血虚,水滞,気鬱の順で関連性が高く,調整済みオッズ比(95%信頼区間)はそれぞれ3.02(1.43-6.48),2.37(1.13-5.11),2.33(1.01-5.44)だった。神経変性疾患と最も関連性が高い証は血虚であった。四物湯類(四物湯加減)の処方を考慮することは,患者の苦痛軽減に寄与できる可能性がある。自覚症状に加え脈候,舌候,腹候など東洋医学的な尺度を用いた治療効果の判定が必要である。</p>