著者
滑川 亘希
出版者
独立行政法人物質・材料研究機構
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2012-08-31

本研究では、災害時などライフラインが寸断された緊急時においても、透析患者の応急処置が可能な尿毒素除去フィルターの開発を目的として、尿毒素を吸着するゼオライトを導入したスマートナノファイバーコンポジットを作製した。ファイバーのベースとなる高分子には血液適合性に優れる高分子(EVOH)を用い、電界紡糸法で製膜した。作製したファイバー内には製膜時に配合したゼオライトの90%以上が導入できた。尿毒素の一つであるクレアチニンを馬血清から除去することに成功した。このようなコンポジット材料は、血液浄化材料のほか、配合する吸着粒子を変えることで様々な分子を吸着する不織布として応用できる。