著者
滝戸 次郎 中村 雅典
出版者
昭和大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

破骨細胞は、単核細胞の融合により形成される多核細胞であり、その機能は骨を分解することである。その細胞融合に関与する構造として、我々は新規のアクチン超構造体を報告してきた。本研究では、その構造の構成タンパク質の空間配置を決定し、前駆体であるPodosome beltとの違いを明らかにした。また、その構造保持に関与するシグナル伝達経路を解明した。アクチンの動態を観察し、超構造体内で内向きのアクチン流動が起きている事を発見した。これらの知見を統合し、破骨細胞間の接着に働く力の釣り合いを考察した。本研究により、アクチン超構造体は、破骨細胞同士の融合時の接着に寄与することが示された。