著者
高須 克弥
出版者
昭和大学
巻号頁・発行日
1973

博士論文
著者
太田 晴久 橋本 龍一郎 金井 智恵子 山田 浩樹
出版者
昭和大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

ASDと ADHDの存率は高いことが報告されおり、両障害に共通して感覚過敏が認められる。本研究ではDTIを用いて、両障害における白質繊維走行の異同および感覚過敏との関連について調査した。知的障害のない成人のASD、ADHD、健常発達成人合計約200人を対象とした。脳梁において発達障害群で健常成人群と比較して白質繊維走行の異常が認められた。それは両障害で共通した所見であり、両障害間での統計学的に有意な差異はみられなかった。発達障害群で感覚過敏の評価尺度の点数と白質繊維走行に関係する値との相関を示した部位は両障害間で共通しているところが多くみられた。
著者
小貫 麻美子 松本 光司 柊元 巌
出版者
昭和大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究では、1) 定期接種プログラムが定める適切な年齢(12-16歳) で子宮頸癌ワクチンを接種したにも関わらずHPV16/18陽性CIN・子宮頸癌を発症した若年日本人女性(=ブレイクスルー症例) を対象にまず初交年齢・ワクチン接種時年齢を聴取することで接種時に実は既感染であったと考えられる患者の割合を推定すること、2) 初交前に適切にワクチン接種を行っていた症例ではHPVゲノム解析・pseudovirionを用いた中和活性測定を行い、現行のワクチンでは予防できない変異ウイルス(variant) を探索する。
著者
清水 俊一 石井 正和 根来 孝治 根来 孝治
出版者
昭和大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

Transient receptor potential melastatin 2(TRPM2)は、酸化ストレスにより活性化される非選択的陽イオンチャネルであり、好中球や心筋細胞に発現が認められている。本研究は、酸化ストレスや炎症反応が関わっている心臓の虚血再灌流障害にTRPM2が関与しているかどうか検討した。野生型(WT)およびTRPM2欠損(KO)マウスの左冠動脈を結紮・開放することにより心臓の虚血再灌流モデルを作製した。その結果、虚血再灌流による心筋壊死はWTマウスと比較してKOマウスでは抑制されていた。一方、虚血のみによる心筋壊死はWTマウスとKOマウスで差が認められなかった。また、虚血再潅流による心機能低下もKOマウスで抑制された。さらに、再灌流領域における好中球の浸潤が、KOマウスで抑制されていた。次に、摘出心臓の虚血再灌流障害モデルを作製し、多形核白血球(PMNs)の導入を行ったところ、KOマウス由来のPMNsを導入しても心筋壊死は軽度であったが、WTマウス由来のPMNsを導入すると著しい心筋壊死の促進が認められた。そこで、WTマウス由来のPMNsにH_2O_2とleukotriene B_4(LTB_4)を添加したところ、細胞内カルシウムイオン濃度の上昇が認められ、この上昇は好中球の血管内皮細胞への粘着に関わっていた。以上の結果から、TRPM2は心臓の虚血再灌流障害の進展に関与していることが明らかとなった。この機構には、再灌流時に好中球のTRPM2が活性化され、その結果、好中球の血管内皮細胞への粘着亢進による心臓への遊走が関与していると思われる。
著者
吉田 耕一郎 小司 久志 二木 芳人 詫間 隆博
出版者
昭和大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

低濃度二酸化塩素ガスの空中浮遊菌に対する抗微生物効果を明らかにする目的で、有人の室内(66.5m2)において低濃度二酸化塩素ガスを発生させ、その効果を検討した。昭和大学の医局(温度及び湿度はコントロールしない)において、あらかじめエアサンプラーを用いて空中浮遊菌数を測定し、コントロールとした。続いて安全性に配慮した低濃度二酸化塩素ガスを発生させて空中浮遊菌数を測定した。職員の医局への出入りは制限しないこととした。発生させた二酸化塩素濃度は0.01 ppmから0.02 ppmで安定していた。低濃度二酸化塩素ガスを医局に発生させることで、医局内の空中浮遊細菌濃度がday1からday3の初期から減少し、全二酸化塩素発生期間中にわたり有意な抗微生物効果が持続していた。低濃度二酸化塩素ガスを有人の室内に拡散させることは、空中浮遊菌の減少に効果を示した。
著者
城 祐一郎 TACHI Yuichiro
出版者
昭和大学
巻号頁・発行日
2018

Showa Univ J Med Sci 30(1):27-33, 2018
著者
庄司 順三 廣野 里美 宮腰 正純 村山 哲也
出版者
昭和大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1991

日本に自生するハリブキ(Oplopanax japonicus N_<AKAI>=Echinopanax japonicus N_<AKAI>)と中国産刺人参(Oplopanax elatus N_<AKAI>=Echinopanax elatum N_<AKAI>)はともにウコギ科(Araliaceae)植物であり、刺人参は解熱、鎮咳作用を有するとされ、中国の文献では薬用人参と作用が近似していることが記載されている。今回の研究では両者の成分を化学的に比較し、両植物の医薬品としての新たな応用・開発をはかることを目的として行った。日本産ハリブキ葉からは既知成分のフラボノイド配糖体2種、トリテルペン配糖体1種を単離・同定した。更に3種の新規トリテルペン配糖体を単離し構造を決定した。中国産刺人参葉を日本産ハリブキ葉同様に分離し構造決定を行ったところ、両者に共通する2種の既知フラボノイド配糖体、1種のトリテルペン配糖体を単離・同定したほか、新規トリテルペン配糖体8種を分離しその化学構造を決定した。さらに日本産ハリブキの葉以外の部分について検討を進めているが、根皮より2種の既知化合物を単離・同定するとともにダイイン化合物1種と、これとアグリコン部の構造が異なるダイイン化合物の配糖体1種を単離し化学構造を決定した。中国産の試料については入手が限定されているが、日本産ハリブキについては10種の化合物を単離し、5種類が新規化合物であるので、今後、十分な量を確保し生物活性を検討することにより本研究の目的が達成されるものと思われる。
著者
鳥居塚 和生 平井 康昭 堀 由美子
出版者
昭和大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

硫酸亜鉛(5%) 20μL点鼻による嗅覚障害モデルマウスを作成し,嗅球中モノアミン含量への影響について電気化学検出器を用いた高速液体クロマトグラフィー法により検討した.その結果,対照群に対して,硫酸亜鉛を点鼻投与した群のドーパミン(DA)組織重量は低下することがわかった.この嗅覚障害モデルマウスに対して,漢方処方の加味逍遥散(KSS:柴胡,芍薬,朮,茯苓,当帰,甘草,牡丹皮,山梔子,薄荷,生姜)を経口投与した群では, DA組織重量の低下が抑制された.構成生薬10種より一味の生薬を除いた処方を作成し生薬の寄与を検討したところ,加味逍遥散の脳内モノアミン含量に対する障害改善効果は,構成生薬が総て揃った処方としたときが最も高く,一味を抜くことで弱まることを確認した.また甘草,芍薬,生姜,朮が効果に大きく寄与することが示された.また感覚器入力に対する行動薬理学的検討を実施した.その結果,嗅覚障害モデル動物が記憶学習障害の評価モデルの一つとなりことを明らかにした.またこのモデルにおける嗅球におけるドーパミンレベルの著しい低下と,受動的回避課題の大幅な減衰を引き起こすことに関与する物質を明らかにする目的で,嗅球における神経伝達物質の機能を持つとされるL-カルノシン(β-alanyl-L-histidine)の関与について検討した. L-カルノシンの腹腔内投与により用量依存的にマウスの常同行動を惹起した.またこれらはドーパミン受容体拮抗剤のクロロプロマジン,ハロペリドールおよびドーパミン合成酵素阻害剤で抑制された.中枢におけるドーパミン神経系における制御にL-カルノシンが寄与することを示した.またドーパミンの再取り込み阻害剤ノミフェンシンの投与で,記憶学習障害が顕著な改善を示すことを明らかにした.
著者
藤野 純也
出版者
昭和大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

まず、研究開始に伴う手続き(被験者への説明文書、同意書、必要書類の準備、作成など)を行い、自閉スペクトラム症(ASD)群、注意欠如多動性症(ADHD)、および定型発達群のリクルート体制を構築した。ASD群とADHD群に関しては、昭和大学発達障害専門外来を受診された方に、研究の概要を説明し、参加募集を行った。発達障害の意思決定に関する先行研究をまとめること、関連学会に参加することで情報収集し、ASDやADHDの病態理解に重要な意思決定課題や質問紙などを作成し、準備した。加えて、予備実験を行うことで、ASDおよびASHD被験者の課題理解を高める方策についても検討し、課題内容を洗練した。また、本研究課題における至適なMRI撮像パラメータの選定を行った。本年度は主に、ASD群 およびTD群を対象に、埋没費用(事業や行為の中止を行っても戻ってこない資金や労力)が関わる状況下での意思決定パターンを調査した。結果、ASD群では、TD群と比較して、埋没費用効果が低下していた。また、TD群では、埋没費用の増加に伴って埋没費用効果も上昇したが、ASD群でそのような現象はみられなかった。加えて、ASD群では、TD群と比較して、課題中の選択反応時間も埋没費用に影響を受けにくいことが示唆された。ASD群では、埋没費用が関わる状況下において、文脈への感受性が低いものの合理的な意思決定を行うことが示唆された。
著者
河村 満
出版者
昭和大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

音楽には、言語と同様に表出(歌う・演奏する)、受容(聞く)、(楽譜を)読む、(楽譜を)書く過程がある。音楽の表出・受容の脳内機構についてはいくつかの知見が蓄積されているが、(楽譜の)読み書きについての検討は極めて少ない。そこで、本研究では、脳病変例を対象に、楽譜の読み書きの脳内機構を明らかにすることを目的とした。われわれは2000年に、左上頭頂小葉の皮質・皮質下病変によって、楽譜の読みに障害がないが、楽譜の書きにのみ障害が認められたピアノ教師を報告した。この症例では文字の書きの障害も伴わなかったことから、楽譜の書きが文字の書きとは独立した過程である事を明らかにした。さらに、この症例の特徴はリズム表記の障害であったことから、音高の表記とリズムの表記は独立した過程であることを示唆した。さらに同年、上記症例とは逆のパターンを示したトロンボーン奏者を記載した。この症例は左角回に限局性の病変で、音高の表記のみに障害を示していた。本研究では、これらの結果を基底にして、ウェルニッケ失語を呈したピアノ教師例を検討した。この症例では、楽譜を読む際の障害はピッチにのみみられリズムでは障害がみられなかった。この結果は楽譜の読み書きにおいて、リズム認知機能とピッチ認知機能とがそれぞれ異なった脳内機構をもつことを明示している。さらにパーキンソン病を対象にして、リズム認知機脳を検討し、本病でリズム認知機能障害がみられることを示した。これは大脳基定核にリズム語知機能があることを示唆している。
著者
友安 洋子
出版者
昭和大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究の目的は、成長ホルモン受容体遺伝子のSNPsとアクチバトールの治療効果に関連がある否かを検討するために、成長ホルモン受容体遺伝子のSNPsの解析を行うことである。本研究では、顎整形機能的矯正装置の効果と成長ホルモン受容体遺伝子のSNPsとの関連について統計学的な関連は見出されなかった。
著者
唐川 亜希子
出版者
昭和大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

消炎鎮痛薬である非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は,破骨細胞の分化・骨吸収活性を調節する.本研究では破骨細胞の分化過程におけるシクロオキシゲナーゼ(cyclloxygenase ; COX)の動向を解明し, NSAIDsの骨代謝への作用機序を検討した.研究期間内に我々は,(1)破骨細胞分化前期から細胞内にCOX発現が認められること,(2)骨吸収時および炎症起因物質添加時の,成熟破骨細胞のCOX-2発現が増加すること,(3)細胞内のCOX活性上昇時に転写因子ERKが影響を受けることを確認した.現在, NF kappa B, I kappa B等の核内転写因子の関連性について,継続して解析中である.
著者
砂川 正隆
出版者
昭和大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

①まずは,健常ラットに漢方薬(抑肝散,加味帰脾湯)を投与することによって,中枢あるいは末梢におけるオキシトシン分泌の変化を調べる。②ストレスモデルラットを用い,漢方薬の抗ストレス作用を検討し,この効果がオキシトシンの分泌を介したものであるか検討する。③オキシトシンの分泌異常が関与する他の疾患モデル動物に対して,漢方薬が有効であるかを検討する。
著者
城 祐一郎
出版者
昭和大学
巻号頁・発行日
2018-03-15

2017年度
著者
古屋 良一 馬場 一美 木野 孔司 船登 雅彦 阿部 有吾
出版者
昭和大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

我々は、歯を接触させている習慣(TCH)が顎関節症(TMD)の寄与因子であると考えている。本研究の目的は、TCH測定システムを開発し、TCHの頻度、TCHとTMDの関係およびTCH是正システムの効果を調査することである。TMD患者と健康な人について携帯電話の電子メール機能を利用したTCH測定システムを使用してTCHを評価した。TMD患者におけるTCHの頻度は、健康な人より約5倍高かった。
著者
養父 佐知子
出版者
昭和大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、リウマチ様関節炎を自然発症するHuman T cell Leukemia Virus Type I (HTLV-1) 遺伝子導入(Tg)マウスに核酸・核タンパク(NP)1.2%含有餌を3ヶ月間摂取させた。その結果、関節肥大、組織の増悪抑制や、NO酸化代謝物(3-ニトロチロシン)の低下が認められた。さらに、電子スピン共鳴法(ESR)を用いてNPが一重項酸素およびNO消去能を示すことをin vitroの実験で明らかにした。しかし、生体内に摂取された後のNPのフリーラジカルに対する作用は不明である。そこでリポポリサッカライド(LPS)誘導性肝傷害モデルマウスを作製しNP摂取の作用を調べた。その結果、NP摂取は過剰産生されたNOを直接消去するだけでなく、クッパー細胞の活性化抑制やiNOSタンパクの発現抑制により肝傷害を改善することが明らかとなった。
著者
小貫 麻美子 柊元 巌
出版者
昭和大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

子宮頸癌とその前癌病変の原因であるヒトパピローマウイルス(HPV)には遺伝子配列の異なるバリアントや準種と呼ばれる突然変異を多数生じる。HPV52/58型は日本人の子宮頸癌および前癌病変で多くみられる型で、これらを次世代シークエンサーで全遺伝子を解析しバリアントの分布が両型で大きく異なることがわかった。HPV16型は子宮頸癌患者から最も多く検出される型で、特定のバリアントで子宮頸癌との関連が強いことがわかった。さらに今までわかっていなかった新たなバリアントを発見できた。また、子宮頸癌や前癌病変患者から採取したHPVに多くみられた遺伝子の塩基配列の変異がアポベック3蛋白と関連がある可能性がある。
著者
島村 忠勝 胡 志青 大久保 幸枝 趙 維華 柳川 容子 山口 晃史
出版者
昭和大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

カテキンの抗微生物活性のメカニズムおよびカテキンの抗微生物薬との併用効果について研究を行った。1.エピガロカテキンガレート(EGCg)は細菌細胞膜や細胞壁傷害作用および細胞壁合成阻害作用を有し、β-ラクタム剤と併用すると、MRSAに対するβ-ラクタム剤の抗菌活性を復活させ、強い相乗効果が発現した。タンパク合成阻害剤、核酸合成阻害剤との併用では相乗効果は見られず、ペプチド系抗生物質では拮抗作用が見られた。この拮抗作用はEGCgとペプチドの結合によると考えられた。また、EGCgはβ-ラクタマーゼ活性を直接阻害することができ、β-ラクタマーゼ産生黄色ブドウ球菌およびMRSAに対して、EGCgとβ-ラクタム剤の併用は相乗効果を発揮した。β-ラクタマーゼが分泌されないグラム陰性桿菌に対して、効果は弱かった。2.ヘリコバクター・ピロリに対しては、EGCg単独で殺菌作用を示した。クラリスロマイシン高度耐性株に対してEGCgとクラリスロマイシンまたはプロトンポンプ阻害剤を併用すると相加効果が見られた。3.細胞内寄生菌サルモネラに関しては、EGCgはサルモネラ食食マウスマクロファージの細胞内殺菌能を亢進した。EGCg投与マウスのマクロファージはサルモネラ貧食能と細胞内殺菌能がともに増強した。4.HIVに関しては、HIVの細胞への吸着後から宿主細胞遺伝子への挿入までの過程においてEGCgの阻害作用が見られ、逆転写酵素やプロテアーゼの阻害が示唆された。また、EGCgは持続感染細胞からのHIV粒子の産生を抑制した。この抑制効果はリボソームに包埋したEGCgやLPSを併用すると増強した。しかし、このEGCgの効果は単球細胞系で特異的におこり、リンパ球では見られなかった。また、EGCgとAZTを併用すると弱いながら相乗効果が見られた。