著者
澤西 祐典
出版者
龍谷大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2019-04-01

芥川龍之介・菊池寛共訳『アリス物語』および『ピーターパン』は、興文社と文藝春秋社による『小学生全集』シリーズの一環として刊行された。この<共訳>は、『不思議の国のアリス』の文豪訳などとして好事家の関心を引いてきたが、これまで芥川あるいは菊池の訳業として両作が取り上げられることはほとんどなかった。本研究では<共訳>の分担や翻訳の特徴について明らかにし、創作童話の発表や『小学生全集』を刊行など、児童文学の普及にも貢献してきた芥川・菊池の功績の中で、両作をどう捉えるべきか明らかにしたい。また、この二作を一般読者が親しめる形で普及したい。