著者
武田 征士 濱 利行 徐 祥瀚 岸本 章宏 中野 大樹 古郷 誠 本江 巧 藤枝 久美子
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回全国大会(2021)
巻号頁・発行日
pp.4F4GS10o04, 2021 (Released:2021-06-14)

AIやデータなどを駆使して材料開発を加速させるマテリアルズ・インフォマティクスが世界的な注目を集めている。中でもAIによる分子構造デザインは、ポリマーなど様々な材料分野への応用が可能であるのみならず、生成モデルの文脈で近年数多くの報告がなされている。しかしながら、これらの技術のほとんどがディープ生成モデルであるため、膨大なデータや複雑なハイパーパラメータ調整、長時間にわたる事前学習を必要とする。さらに、得られたモデルも化学者には解釈ができず、構造生成の細かいチューニングも行えなため、材料化学の実利用に即しているとは言い難い。我々が開発した手法およびツールは、化学構造のエンコードおよびデコード部がグラフ理論を基礎とするアルゴリズムにより構築済みであるため、事前学習が不要かつ、特徴ベクトルや構造生成過程の詳細を理解可能であり、原子単位での細かい調整が可能である。本ツールにより、人間の専門家と比較した場合に数10~100倍程度の構造生成のスピードが確認された。本発表では、基本的な方法論に加え、ツールの実装内容、各材料分野における事例などを紹介する。
著者
武田 征士 Hsu Hsiang 濱 利行 山根 敏志 益田 幸治 中野 大樹
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.3E102, 2018 (Released:2018-07-30)

所望の物性値をもつ新物質をデザインすることは、あらゆる工業分野における重要な課題である。本研究では、既存物質のデータ解析から新物質デザインまでend-to-endで実現する手法を提案する。本手法は、特徴量エンコーディング、回帰モデル、解探索、構造生成のステップからなる。データ駆動特徴量と事前定義特徴量を定義し、それらを用いた分子構造生成手法を提案することで、各ステップが連携的に動作する。本手法により、複数の目標物性値を同時に満たす複雑かつ多様な分子構造を高速にデザイン可能であることを、市販の薬物データを用いて実証する。