著者
武田 太一 濱崎 雅弘
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回全国大会(2021)
巻号頁・発行日
pp.1I4GS4c05, 2021 (Released:2021-06-14)

バーチャルユーチューバー (VTuber) と呼ばれる,動画投稿者を模したバーチャルキャラクターの活動が盛んになっている. 2020 年 11 月現在 VTuber の数は 13000 人を超えており, その活動はタレントやクリエータなど多くの分野で注目を集めている. しかし, VTuber はそのキャラクターや投稿動画のトピックの組み合わせにより, 活動の実態を把握することが難しい. そこで本稿では VTuber の探索を支援するシステムを提案する. このシステムは, VTuber を検索する機能と, VTuber の情報を表示するページからなる. 検索機能では, VTuber をその名前と活動内容を表すキーワードのどちらかで検索できる. VTuber ページでは, キーワードや関連する VTuber の情報を用いて, VTuber を探索することができる. このシステムによって, VTuber を能動的に探索し, VTuber の理解を深めることが可能になった.
著者
楊 明哲 荒井 ひろみ 馬場 雪乃
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回全国大会(2021)
巻号頁・発行日
pp.2C3OS9a03, 2021 (Released:2021-06-14)

無意識のバイアスは,人間が無意識のうちに獲得した固定観念等から形成される,潜在的な偏見のことである.人種・性別に関する無意識のバイアスは,採用や貸与等で他者を評価する際の不公平な判断に繋がる.機械学習モデルによる人間の評価がしばしば不公平になることは知られており,解決のために公平性配慮型機械学習の技術が研究されている.本研究では,人間が公平に判断できるようにするため,人間の無意識バイアスを矯正する手法を提案する.提案手法は,まず人間に(不公平な)評価を行わせ,評価結果に対して公平性配慮型機械学習を適用して公平なモデルを獲得する.公平なモデルと同様の判断をできるようにするため,人間に対して機械教示を行う.他者の収入を予測する被験者実験を実施し,不公平な評価を行う人間に対して,提案手法による矯正効果が見られることを確認した.
著者
及川 大輝 勝村 玲音 和田 雅樹 島原 広季 相原 貴明
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回全国大会(2021)
巻号頁・発行日
pp.2F1GS10f04, 2021 (Released:2021-06-14)

現在、NTT東日本管内では年間約6万個のマンホールの点検を実施している。作業者が現地においてマンホール写真(鉄蓋および内部設備)を撮影し、集約センタにおいてそれら写真を用いた設備の良・不良判定を目視で実施している。昨年、私たちは集約センタにおける目視点検稼働の削減に向けて、CNNアルゴリズムの一つであるMask-RCNNを用いたマンホール内部の不良検出AIを作成し、検出精度について報告を行った。本取り組みでは、昨年度の知見を基に、マンホール鉄蓋の種別判定および不良箇所検出AIを作成し、その検出精度を検証した。検証の結果、鉄蓋種別判定ではマクロ平均再現率96%、マクロ平均適合率98%、不良箇所検出ではマクロ平均再現率90%、マクロ平均適合率70%となった。
著者
武田 征士 濱 利行 徐 祥瀚 岸本 章宏 中野 大樹 古郷 誠 本江 巧 藤枝 久美子
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回全国大会(2021)
巻号頁・発行日
pp.4F4GS10o04, 2021 (Released:2021-06-14)

AIやデータなどを駆使して材料開発を加速させるマテリアルズ・インフォマティクスが世界的な注目を集めている。中でもAIによる分子構造デザインは、ポリマーなど様々な材料分野への応用が可能であるのみならず、生成モデルの文脈で近年数多くの報告がなされている。しかしながら、これらの技術のほとんどがディープ生成モデルであるため、膨大なデータや複雑なハイパーパラメータ調整、長時間にわたる事前学習を必要とする。さらに、得られたモデルも化学者には解釈ができず、構造生成の細かいチューニングも行えなため、材料化学の実利用に即しているとは言い難い。我々が開発した手法およびツールは、化学構造のエンコードおよびデコード部がグラフ理論を基礎とするアルゴリズムにより構築済みであるため、事前学習が不要かつ、特徴ベクトルや構造生成過程の詳細を理解可能であり、原子単位での細かい調整が可能である。本ツールにより、人間の専門家と比較した場合に数10~100倍程度の構造生成のスピードが確認された。本発表では、基本的な方法論に加え、ツールの実装内容、各材料分野における事例などを紹介する。
著者
谷本 啓 坂井 智哉 竹之内 高志 鹿島 久嗣
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回全国大会(2021)
巻号頁・発行日
pp.3G2GS2h03, 2021 (Released:2021-06-14)

どの介入行動がより良い結果につながるかを予測することは、意思決定支援システムの中心的な課題である。実環境での予測モデルを構築するためには、ランダム化比較試験(RCT)データがないため、サンプリングバイアスのある観測データからの学習に頼らざるを得ない。これに対するための近年の因果推論及び反事実機械学習では、薬を投与するかどうかなど二値の行動空間上の潜在アウトカムとその差、すなわち条件付き期待因果効果を推定することに注力している。しかし、本発表で示すように、大きな行動空間(個々の患者に対し適切な薬の組み合わせを選択するなど)になると、潜在アウトカムの回帰精度だけでは実用的にはもはや十分な意思決定性能を得ることができなくなる。提案する損失関数は、予測精度と同時に、個々の状況(患者)に対して過去の平均的な意思決定者(医者)の行動よりも相対的に良い行動であるかどうかの判別誤差を最小化することで、学習されたモデルに基づく意思決定性能を向上させる。半合成データセットで実験により、広い行動空間に対する提案法の優位性を実証する。
著者
三宅 陽一郎 鳥海 不二夫
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回全国大会(2021)
巻号頁・発行日
pp.3I2GS5e01, 2021 (Released:2021-06-14)

本比較検証実験の目的は,デジタルゲームAIにおいて著者が提案するMCS-AI動的連携モデル(Meta-Character-Spatial AI Dynamic Cooperative Model)がゲームデザインに対してアイデアの多様性をもたらすことを検証することである.MCS-AI動的連携モデルを知った被験者のゲームデザインのアイデアを,知らせなかった被験者と比較することで,MCS-AI動的連携モデルのゲームデザインのアイデアへの影響を比較検証する.被験者は解説文を読んだあと,自由記述式アンケートに回答を記述する.26人の被験者に対するアンケート文を自然言語解析を行い,MCN-AI連携モデル(従来のモデル)のみを知らせた場合と,MCS-AI動的連携モデルも知らせた場合とで,ゲームデザインアイデアにどのような変化が行われるか,を比較した.解答文の形態素解析によってキーワード抽出し共起ネットワークを生成することで,MCS-AI動的連携モデルを調べたグループの回答が、よりAIと連携したアイデアを提案することを明らかにした.
著者
良川 太河 山極 綾子 楊 添翔 後藤 正幸
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回全国大会(2021)
巻号頁・発行日
pp.3G1GS2g05, 2021 (Released:2021-06-14)

機械学習分野においてラベル分類の代表的な手法の一つである決定木は解釈性が高い識別器である.しかし過学習を起こしやすく,十分なデータ数がない場合予測精度が悪化する恐れがある.一方,アンサンブル識別器は過学習を防ぎ高い予測精度を示すが,複数の決定木を合成しているため解釈性が失われてしまう.そのため,アンサンブル識別器に近い予測性能を持つ単一の決定木を学習できれば,予測性能と解釈性を備えた有益なモデルとなる. そこで,学習データの生成により予測精度が高い単一の決定木を学習する手法が研究されている.その代表的な手法にBorn Again Treesがある.しかし,データ生成の際に膨大な計算量が必要となる上に,対象データの分布から外れたデータも多数生成してしまうため,学習した決定木が複雑になり解釈性が低下する恐れがある. そこで本研究では,生成モデルであるAutoencoderとオーバーサンプリング手法であるSMOTEを用いて対象データの分布に従うデータを少ない計算量で生成し,高い予測精度を持つシンプルな決定木の学習方法を提案する.最後に実データを用いた評価実験を行い,提案手法の有効性を示す.
著者
中作 勇介 松原 崇
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回全国大会(2021)
巻号頁・発行日
pp.2G4GS2f05, 2021 (Released:2021-06-14)

データごとに尤度を求めることができる深層生成モデルは,分布外検知の手法として多く用いられている.一方で深層生成モデルを分布外検知に利用する際,データによっては分布外データの尤度が分布内データの尤度より大きく推定されてしまうことがあるという問題が存在する.変分自己符号化器もこの問題を抱えた深層生成モデルの1つである.この問題を解決するために,本論文では変分自己符号化器において潜在変数の事前分布を変更することを提案する.通常の変分自己符号化器は潜在変数の事前分布を標準正規分布としている.これに対して提案手法では分布外データの潜在変数が原点付近に集まるという仮説を立て,原点付近の確率密度が低い事前分布を用いる.これによって分布外データに対する尤度が低くなり,結果として分布外検知の性能の向上が期待される.Fashion-MNISTとMNISTに対して実験を行い,既存の手法に比べて分布外検知における性能が向上することを示した.
著者
田中 健斗 西村 太一 白井 圭佑 亀甲 博貴 森 信介
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回全国大会(2021)
巻号頁・発行日
pp.4J2GS6e03, 2021 (Released:2021-06-14)

語学学習において,「話す」,「書く」といった言語の産出能力の訓練は学習した知識を定着させる上で重視されている.しかし,記述式問題の人手による採点には多大なコストを要するため,機械による自動採点技術が注目を集めている.本研究では,写真描画問題を対象として,自動採点技術の実現を試みる.具体的には,(i)まず学習者の誤り傾向を調査・分析し,(ii)次にそれを基に疑似誤りデータを生成し, (iii)最後に写真と解答文の関連性を評価する正誤判定モデルを考案する.実験は疑似誤りデータを用いて学習し,実際の学習者の解答を用いて評価した.実験結果から,ランダムに出力を行う判別器と比較して,提案モデルは高い識別性能を実現することがわかった.
著者
重中 秀介 鷹見 竣希 大西 正輝
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回全国大会(2021)
巻号頁・発行日
pp.4F2GS10m04, 2021 (Released:2021-06-14)

本研究では,大規模イベントの群集制御を安全性と効率性で評価する指標を提案した.大規模イベントは群集事故を未然に防ぐような手段として群集制御が行われている.これまで群集制御は一人ひとりの歩行者情報とエリア毎の環境情報から安全性と効率性を定義していた.ところが,これらの評価指標は避難実験のような一斉に移動を開始する環境でしか使われていないため,一定間隔で移動を開始するイベント群集の評価に適しているかわからなかった.本研究では,歩行者シミュレータを用いて,一定間隔で移動を開始するイベント群集の制御評価を行った.評価には既存指標の安全性と効率性の評価と提案指標の評価を行った.イベント制御の評価には門司港の関門海峡花火大会を用いており,歩行者人数が30000人と45000人,出発人数分布が2種類の計4種類の人数分布と19683通りの制御パターンを評価をした.実験結果により,提案指標は既存指標よりも安定した評価が行えた.
著者
栗原 聡 井原 史渡 岸本 大輝 吉田 直人
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回全国大会(2021)
巻号頁・発行日
pp.3I1GS5d04, 2021 (Released:2021-06-14)

COVID-19感染問題における感染拡散状況の把握と予測を行うため,SNSや報道データ分析と基本的に冪乗則に従う人の行動様式から独自の行動モデルを提案し,これを複雑ネットワークとして構築した実環境を模した移動ネットワーク上にて典型的な感染モデルであるSERIモデルにて感染拡散シミュレーションを実施した.その結果,提案モデルにて昨年からの感染状況の再現が可能であることが分かった.本稿では,さらに,このモデルによる,緊急事態宣言の効果やワクチンの接種率や摂取方法の効果についても考察する.
著者
押山 千秋 西村 拓一
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回全国大会(2021)
巻号頁・発行日
pp.1E4OS8b02, 2021 (Released:2021-06-14)

臨床とは、医療分野および学問領域において、医療・教育・カウンセリングその他の介入を行う「現場」あるいは「現場を重視する立場」を指す。臨床場面においては発生している問題を解決するために介入が行われる。臨床の専門家は介入を効果的に行うために、目的をもって専門知識を形式的もしくは暗黙的に駆使している。専門家の介入技術は、形式化されていない暗黙知を多く含んでいる。しかしながら、その内容は詳細に可視化されていないため、熟達の度合いが違う専門家の間で、また、分野が違う専門家の間での共有は困難であった。我々はこれまで心理臨床の一つの手法である音楽療法における事例を構造化してきた。最近は、認知症の周辺症状に対する対処法の知識を構造化する作業を行っている。問題解決のための知識を構造化し可視化することで、様々な専門家や支援者の間での情報共有が可能となる。いままで取り出せてもいない様々な方々の様々な状況における知識や実施内容を未踏データとして解決方法を収集し、可視化する。サービス提供者が莫大な問題解決知識にアクセス出来、自分も発信出来、サービス受給者が高度なサービスを気軽に得られる世界を作る提案を行いたい。
著者
江上 周作 大向 一輝 山本 泰智 神崎 正英 野本 昌子 坂根 昌一 伊藤 真和吏 網 淳子 奥村 貴史
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回全国大会(2021)
巻号頁・発行日
pp.3H1GS3d02, 2021 (Released:2021-06-14)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止に向けて,政府より「3つの密(三密)」「5つの場面」が提言されている.これらの標語・指標に基づいて,個別の行動事例のリスクを評価するためには,行動履歴情報,空間情報,およびそれらの知識の定義が必要となる.本研究では,感染症患者に対する聞き取り調査で得られる行動履歴情報を用いて,その行動における三密の度合いを推論可能なオントロジーを提案する.推論結果は,公衆衛生当局における追跡調査業務の省力化や,実データとの照合による,感染に結びつく行動の分析などに応用できると考えられる.本稿では,提案オントロジーの実運用に向けたシナリオの検討と課題を述べる.
著者
山縣 友紀 櫛田 達屋 大浪 修一 桝屋 啓志
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回全国大会(2021)
巻号頁・発行日
pp.3H1GS3d01, 2021 (Released:2021-06-14)

生命科学領域では知識共有を目指してオントロジーの開発が盛んである.しかし,知識の蓄積が浅いテーマについては,一貫性をもった知識の体系化が課題となりそのままでは知識の相互運用も困難となる.そこで,本研究では新知識を体系的に定義し,既存知識への積み上げを可能とする知識基盤の構築を目指す.そして,その実現に向けて生命活動の中心となる生命の恒常性とその破綻に注目し,ホメオスタシスインバランスプロセスオントロジー(HoIP)を開発する.本オントロジーは,上位オントロジーを参照し,恒常性破綻に関する概念まで特殊化することで,生命科学横断的な体系化を一貫的に行う.次に,COVID-19について現実社会の要請に応じた新たな知識の蓄積に取り組む.COVID-19機序解明には感染症学をはじめ,免疫学,分子生物学等幅広い専門領域から感染における一連のメカニズムを説明することが不可欠である.本研究ではCOVID-19におけるウイルス作用と生体防御作用との恒常性破綻による進行過程について粒度横断的に概念を組織化する.さらに,ワクチンをはじめ既存のオントロジーとの関連知識の知識統合による重症化リスク低減を目指す.
著者
朱 成敏 武田 英明 竹崎 あかね 杉野 利久
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回全国大会(2021)
巻号頁・発行日
pp.3H1GS3d05, 2021 (Released:2021-06-14)

畜産産業において飼料は生産性と密接な関係があり、飼料の選択や配合に関するデータには重要な知識が蓄積されている。しかしながら、地域や関連団体によって様々な飼料情報が用いられており、それぞれ独自の基準で作成されている。そのため、関連ITシステム間のデータの連携・統合が困難である。そこで、本研究では国内外で主に用いられているウシの飼料情報を調査し、ウシ用飼料オントロジーの構築を行なった。さらに利活用に必要なサービスを開発し、畜産分野におけるデータ連携の総合的な手段としての可能性について考察する。
著者
新川 栄二 永塚 光一 村田 祐樹 小野 多美子 細田 正恵 木下 聖子 渥美 雅保
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回全国大会(2021)
巻号頁・発行日
pp.2Xin507, 2021 (Released:2021-06-14)

医薬データ等の増加に伴って創薬分野における機械学習を用いた研究が盛んに行われている.特にタンパク質と薬剤のインタラクションを予測することやインタラクション部位を解析することは新薬開発において有用である.本研究では,タンパク質に付いている糖鎖に着目し,薬剤と糖タンパク質のインタラクション予測において,薬剤情報,アミノ酸配列情報,糖鎖情報の3つの組み合わせを入力とする相互アテンションニューラルネットワークを構築した.提案モデルは,入力として受け取った情報からそれぞれのエンコーダーを介して特徴ベクトルを抽出し,それらを連結したのちにインタラクションの有無の判別を行う.モデルの構造は糖鎖が糖タンパク質と薬剤の反応を仲介するプロセスを表現しており,糖鎖と薬剤のアテンションをとったのちに薬剤とアミノ酸配列のアテンションをとる.予測の過程で得られた2つのアテンションを解析することにより,インタラクションにおける糖タンパク質と薬剤の関係を糖鎖と薬剤,薬剤とアミノ酸配列という2つの側面から分析する.
著者
若杉 亮 和泉 潔 平野 正徳
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回全国大会(2021)
巻号頁・発行日
pp.2I3GS5b04, 2021 (Released:2021-06-14)

電力の自由化に伴い,工場などの大口の電力需要を持つ事業者は,電力調達の際に市場価格や需給の変動など不確定要素を新たに考慮する必要が出てきた.本研究では,価格高騰時のコスト削減や需給調節などのために需要側がとりうる手段の1つであるデマンドレスポンス(DR)について,電力市場におけるその効果を分析した.具体的にはまず,標準的な工場の用途別電力消費量時系列データから,主成分分析により特性を抽出し,これを基に工場の用途別電力消費モデルを構築した.次に,この工場エージェントに加え電力供給エージェントと需要エージェントが参加する,JEPX(日本卸電力取引市場)の1日前市場を模したマルチエージェントモデルを用いて,シミュレーション実験を行った.実験では,工場のDRシナリオについてそれぞれ市場に対するスケールを変化させ,費用対効果の観点で2つの評価指標によってDRの効果を分析した.実験結果から,工場規模が大きいほど,自身のマーケットインパクトによりDR効果は大きくなることが確認できた.一方で工場やDR規模の大小によらずDR効果がばらつくことがあり,DR効果の要因が複合的である可能性が示唆された.
著者
Masanori HIRANO Kiyoshi IZUMI Hiroki SAKAJI
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回全国大会(2021)
巻号頁・発行日
pp.2N1IS2a03, 2021 (Released:2021-06-14)

This paper proposes a new model to reverse engineer and predict traders' behaviors for financial market. In this model, we used an architecture based on the transformer and residual block, and a loss function based on Kullback-Leibler divergence. In addition, we established a new evaluation metric, and consequently, succeeded in constructing a model that outperforms conventional methods and has an efficient architecture. In the future, we will build a model with higher performance and versatility. Moreover, we will introduce this model to financial simulations.
著者
澤 稜介 木林 威夫
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回全国大会(2021)
巻号頁・発行日
pp.1D2OS3a05, 2021 (Released:2021-06-14)

2020年日本では自動車業界を賑わせるニュースが多数報道された。2050年のカーボンニュートラルに向けた電動化政策など自動車業界に変革を迫る内容が多数を占める。ただし、自動車産業で働いていた当事者として見た自動車産業の従事者は、変革が必要だという自覚がない人で溢れているのが現実である。自覚できない原因は、ニュースで起こる事実を正しく理解できなくなる大衆のリテラシー低下やAIによってユーザーの嗜好に沿った情報、広告を表示するソーシャルメディアによるものであると推測する。自動車産業の従事者が事業変革の必要性を自覚することを目的に、昨今の自動車産業を取り囲む世界情勢を新聞記事から調査した結果、自動車産業が崩壊することは容易に推測することができ、崩壊の事実をソーシャルメディアを通じて伝える必要がある。
著者
水田 孝信
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回全国大会(2021)
巻号頁・発行日
pp.3I2GS5e04, 2021 (Released:2021-06-14)

主に商品先物を取引するファンドであるCTA(Commodity Trading Advisor) は,かつては多くのファンドが高いリターンを得ていたが,2010年ごろからリターンを得るのが難しくなっている.その原因はいくつか指摘されているが,CTAを餌食にして利益を得る短期的な逆張り戦略が増えたという指摘がある.しかし,これらの指摘は根拠が薄い.そこで本研究では,CTAと短期逆張りを行う投資家を実装した人工市場モデルを構築し,短期逆張り戦略の出現がCTAのリターン減少につながったのかどうかを分析した.その結果,CTA・短期順張りともに,お互いがいたほうが戦略を実行するチャンスが多くなり利益を獲得していることが分かった.このため,短期的な逆張り戦略がCTAを餌食にして利益を得ているというのは誤りである可能性を指摘できただけでなく,むしろ共存共栄である可能性を示した.