著者
岸本 昂之 三池 智士 濱上 寿一
出版者
公益社団法人 日本セラミックス協会
雑誌
日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.401, 2009

久留米高専の位置する福岡県久留米市は豚骨ラーメン発祥の地として知られている。豚骨ラーメンのスープのだしとして使用され、廃棄される豚骨ガラの重量は1日で15トン以上にも及ぶ。廃棄される豚骨ガラの一部は植物用肥料としてリサイクルされているものの、その多くはリサイクルされることなく焼却処分されているのが現状である。一方、廃棄豚骨中には無機成分である水酸アパタイト(以下、HAp)が含まれている。HApは、バイオマテリアル、蛍光体の母体材料、環境浄化材料などに適用可能な多機能性セラミック材料である。また、HAp構造中に含まれるリン(P)は、日本にとって貴重な資源である。廃棄豚骨から水酸アパタイトを精製することは、資源リサイクルの観点からも非常に重要である。そこで、本研究では廃棄豚骨由来水酸アパタイトのさらなる応用を目指し、テンプレート法を用いて多孔質アパタイトコーティング膜を作製し、擬似体液によるin vitro生体親和性の評価を行った結果について報告する。