著者
濱口 正史 中石 将宏 永井 利一 安倍 学 益山 新樹 林 高史
出版者
基礎有機化学会(基礎有機化学連合討論会)
雑誌
基礎有機化学討論会要旨集(基礎有機化学連合討論会予稿集) 第55回有機反応化学討論会
巻号頁・発行日
pp.29, 2005 (Released:2005-10-31)

アゾアルカンの脱窒素反応はラジカル類の効率的な発生方法として知られているばかりでなく、歪化合物の合成反応としても広く用いられている。例えば、1_-_ピラゾリン誘導体 AZ1 (R = H) の脱窒素反応はシクロプロパン類の合成に使われる。一方、我々は3位に電子求引性の置換基を有するピラゾリン誘導体AZ2 (R = COOMe) の脱窒素反応が、転位生成物を主に与える事を見出してきた。本研究では、そのピラゾリン誘導体の脱窒素反応に及ぼす顕著な3位の置換基効果を明らかにするために、量子化学計算を行った。その結果、3位に電子求引基を有するピラゾリンの脱窒素反応は協奏的な機構が有利となる事が分かった。発表では、その詳細を述べる。