著者
明崎 禎輝 山﨑 裕司 野村 卓生 吉本 好延 吉村 晋 濱岡 克伺 中田 裕士
出版者
学校法人高知学園 高知リハビリテーション学院
雑誌
高知リハビリテーション学院紀要 (ISSN:13455648)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.27-31, 2007-03-31 (Released:2018-09-05)
参考文献数
12

脳血管障害片麻痺患者79名を対象に,歩行自立のために必要な麻痺側下肢荷重率について検討した.下肢荷重率の測定には市販用体重計を用い,5秒間安定した保持が可能であった荷重量を体重で除し,その値を下肢荷重率とした.単変量解析では,年齢,麻痺側下肢筋力,下肢Brunnstrom stage,麻痺側下肢荷重率,深部感覚障害の有無において自立群と介助群間で有意差を認めた.ロジスティック解析の結果,麻痺側下肢荷重率のみが自立群に関係する有意な要因であった.Receiver Operating Characteristic曲線による曲線下面積を求めた結果,麻痺側下肢荷重率は自立群を有意に判別可能な評価方法であった.麻痺側下肢荷重率71.0%をカットオフ値とした場合,感度,正診率,陽性適中率のいずれも高い精度で自立群を判別可能であった.脳血管障害片麻痺患者における麻痺側下肢荷重率は,歩行自立度を予測する上で有用な指標と考えられた.