著者
濱川 栄
出版者
早稲田大学文学部東洋史学専修室
雑誌
史滴 (ISSN:02854643)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.2-26, 2013-12-30
著者
濱川 栄
巻号頁・発行日
2017

昨年選挙権年齢が18歳に引き下げられたが,若年層の投票率は相変わらず低い。文科省も主権者教育を重視しているが,若者に限らず,日本人の政治意識は低いままである。その原因の一つに,憲法とは権力者を縛るための法である,とする「立憲主義」の概念が学校教育の場で十分に教えられていない問題がある。実際,従来の学習指導要領にも次期の小・中学校社会科のそれにも「立憲主義」への言及はない。一方,中学校社会科公民的分野の教科書には概ね「立憲主義」の語句が見えるが,その概念が定着する近代までの歴史的経緯を踏まえた記述にはなっておらず,主権者教育の根幹として生徒に理解させられような状況にはなっていない。主権者教育の深化のためには,初等・中等教育の場において歴史的経緯を十分踏まえた形で「立憲主義」の概念が教えられるべきであり,それは現状の学習指導要領や教科書の下でも十分可能なはずである。
著者
濱川 栄
出版者
早稲田大学文学部東洋史学専修室
雑誌
史滴 (ISSN:02854643)
巻号頁・発行日
no.35, pp.2-26, 2013-12