著者
濱田 美智雄 白石 美樹夫
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR HORTICULTURAL SCIENCE
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.83-88, 2020 (Released:2020-03-31)
参考文献数
26
被引用文献数
2

Plant Canopy Analyzer(PCA)実測値と同等の測定精度で生食用ブドウの葉面積指数(LAI)推定を行うために,魚眼レンズ装着デジタルカメラと画像処理ソフト「Fiji-ImageJ」を用いた新しい手法を開発した.個葉の葉幅長(X)に対する葉面積(Y)の回帰は有意に高かった(Y = 0.5716X2.0425,R2 = 0.99**).解体調査LAI値とPCA測定値との間には有意に高い回帰関係が認められた(r = 0.964**).「Fiji-ImageJ」では3段階の画像処理を行った:(1)撮影した原画像のR,GおよびB画像への分割処理,(2)「Subtract Background」アルゴリズムと自動閾値補正モードの「Minimum」を用いた3画像の補正処理,(3)補正された3画像個々の植被率を合計した累積植被率を算出.LAI水準1~4の範囲において,累積植被率(X)に対する解体調査LAI値(Y)の間には高い線形回帰関係が認められた(Y = 0.0769X − 18.325,R2 = 0.82**).