- 著者
-
田中 駿ノ介
蜂谷 勤
平林 太郎
木本 昌伸
濵 峰幸
安尾 将法
- 出版者
- 特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
- 雑誌
- 気管支学 (ISSN:02872137)
- 巻号頁・発行日
- vol.42, no.6, pp.507-511, 2020-11-25 (Released:2020-12-25)
- 参考文献数
- 14
背景.限局した気管支カルチノイドは,外科的切除を行うように推奨されているが,治療法は確立していない.症例1.50歳代,女性.人間ドックの胸部CTで右主気管支内の隆起性病変を指摘され当院を受診した.軟性気管支鏡下で高周波スネアを用いて切除し,定型カルチノイドと診断された.切除後1年が経過し再発は認めていない.症例2.40歳代,男性.人間ドックの胸部単純X線写真で異常影を指摘され当院を受診した.胸部CTで右底幹を閉塞する病変を認めた.胸腔鏡下右肺下葉切除術+リンパ節郭清(ND2a-1)が施行され,異型カルチノイドと診断された.術後5年が経過し再発は認めていない.結論.気管支カルチノイドの治療方針を決める上で,腫瘍の大きさ,位置,組織型,壁外浸潤の有無を確認することが重要である.