著者
田中 駿ノ介 蜂谷 勤 平林 太郎 木本 昌伸 濵 峰幸 安尾 将法
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.507-511, 2020-11-25 (Released:2020-12-25)
参考文献数
14

背景.限局した気管支カルチノイドは,外科的切除を行うように推奨されているが,治療法は確立していない.症例1.50歳代,女性.人間ドックの胸部CTで右主気管支内の隆起性病変を指摘され当院を受診した.軟性気管支鏡下で高周波スネアを用いて切除し,定型カルチノイドと診断された.切除後1年が経過し再発は認めていない.症例2.40歳代,男性.人間ドックの胸部単純X線写真で異常影を指摘され当院を受診した.胸部CTで右底幹を閉塞する病変を認めた.胸腔鏡下右肺下葉切除術+リンパ節郭清(ND2a-1)が施行され,異型カルチノイドと診断された.術後5年が経過し再発は認めていない.結論.気管支カルチノイドの治療方針を決める上で,腫瘍の大きさ,位置,組織型,壁外浸潤の有無を確認することが重要である.
著者
小口 正義 藤森 愛子 小口 はるみ 跡部 治 永田 和也 両角 和雄 藤森 洋子 立花 直樹 蜂谷 勤
出版者
公益財団法人 医療科学研究所
雑誌
医療と社会 (ISSN:09169202)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.97-105, 2010 (Released:2010-07-28)
参考文献数
14
被引用文献数
3 2

抗菌薬適正使用は感染患者の確実かつ安全な治癒,耐性菌出現と蔓延化の防止,および医療費の効率的運用の観点から対処するとされ,特に抗菌薬の使用法管理は経済的にも重要な問題となっている。そのため抗菌薬の使用法管理としての対策(抗MRSA薬・カルバペネム系薬の使用申請制度,監視制度,警告通知制度),DPC制度導入などがどの様に薬剤費に影響したかを調査・分析した。その結果,抗菌薬の総使用量は調査期間中ほぼ一定であったが,カルバペネム系薬の使用量,および抗菌薬の総使用金額は半減した。さらに平均在院日数も減少した。これらのことから当院の抗菌薬適正使用の取り組みにより,スペクトラムの広域な抗菌薬から狭域な抗菌薬への変更,および高価な抗菌薬から安価な製品への置き換えなど,適切な抗菌薬の選択が進んだものと考えられた。抗菌薬適正使用による抗菌薬の使用法管理は,薬剤費に大きなコスト削減効果を及ぼしていることがわかった。