著者
瀧本 真徳
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.200-203, 2014-04-20 (Released:2017-06-16)
参考文献数
6

カルシウム(Ca)は典型金属の一種であり,地殻中に豊富に存在する。カルシウムは工業的には主として,建設・建築用資材として多用されているが,金属元素としての需要は同族の金属元素であるマグネシウムに比較すると少量に留まる。また,有機合成化学においても,マグネシウムがグリニャール試薬の原料として多用されるのに対し,カルシウムの利用は限られた範囲に留まっている。しかし,カルシウムカーバイドなど有機化学と歴史的に関係の深いカルシウム化合物が存在し,また近年,新たな用途も見いだされつつある。ここでは,カルシウムと有機化学の関係についていくつかの話題を紹介する。
著者
瀧本 真徳
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.30-33, 2014-01-20 (Released:2017-06-16)

硫黄(S)は火山周辺などの自然界から,単体としてほぼ純粋な形で得ることのできる元素の一つである。単体の硫黄は,古くより火薬の原料,マッチの着火燃焼剤,燻煙殺菌や皮膚軟膏の原料として用いられてきた。また,含硫黄有機化合物として,植物や我々の体内にも存在する。この,含硫黄有機化合物は現在の抗生物質が登場する以前には感染病の化学療法にも用いられていた。本稿では,硫黄の用途や,身の回りに存在する硫黄化合物について化学的な視点から紹介と解説を行う。
著者
瀧本 真徳
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.140-143, 2015-03-20 (Released:2017-06-16)

現在では有機化合物の構造確認は核磁気共鳴スペクトル法や赤外吸収スペクトル法,精密質量分析などの機器分析によって行うことが多い。しかし,有機化合物に含まれる官能基の反応性を利用した定性試験や誘導体化による確認法は高価な分析機器を用いずとも簡便に実施することが可能であり,有機化学の実験実習として有用である。本稿ではそのような官能基などの確認法のうち,アミンとカルボン酸に関してよく用いられるものを紹介,解説したい。