著者
佐藤 勇太 田中 聡 飯田 忠行 積山 和加子 古西 恭子 瀬尾 優奈
出版者
一般社団法人 日本地域理学療法学会
雑誌
地域理学療法学 (ISSN:27580318)
巻号頁・発行日
pp.JJCCPT22011, (Released:2023-08-01)
参考文献数
35

【目的】本研究の目的は,生きがい感の違いがシルバーリハビリ体操事業参加1年後の高齢者の心身機能に与える影響について明らかにすることとした.【方法】対象はシルバーリハビリ体操事業への参加者とし,初年度の高齢者向け生きがい感スケールの調査票(K-Ⅰ式)の得点を用いてK-Ⅰ式高得点群とK-Ⅰ式低得点群に分けた.評価項目は,初年度および次年度の握力,開眼片脚立位保持時間,うつや不安障害に対するスクリーニング調査票(K6 日本語版),K-Ⅰ式とした.【結果】対応のある二元配置分散分析およびBonferroni法の結果,両群の握力,開眼片脚立位保持時間,およびK6 日本語版は初年度と次年度間に有意差を認めなかった.K-Ⅰ式総得点や下位尺度「生活充実感」「生きる意欲」「存在感」の得点は,K-Ⅰ式低得点群にて初年度より次年度が高い結果であった.【結論】本研究において,シルバーリハビリ体操事業への参加は,生きがい感が低いとしても参加1年後の高齢者の身体機能の維持および健康心理面の維持・改善に効果を有する可能性があることが明らかとなった.