著者
土井 浩一郎 今栄 直也 岩田 尚能 瀬尾 徳常
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.7-18, 2004-03
被引用文献数
1

第41次南極地域観測隊における越冬期間中に,南極大陸氷床上の3点,すなわち,とっつき岬付近の裸氷帯N7,みずほ基地,やまと航空拠点YM175においてGPS観測を行い,各点の流動速度を求めた.N7の移動速度はN60°Wの方向に約1.5cm/dayであった.みずほ基地の移動速度はN60°Wの方向に約6cm/dayという値であり,H. Motoyama et al.(Nankyoku Shiryo, 39, 94, 1995)が得た結果とよく一致している.YM175ではN71°Wの方向へ0.8mm/dayという水平方向の速度とともに,1.1mm/dayの上昇速度という結果を得た.この上昇運動はやまと山脈地域において提案されている隕石集積機構を支持するものである.